2021年導入事例

株式会社LIXIL(導入:アビームコンサルティング株式会社)

複数のホストコンピュータをS/4HANA化
セントラルファイナンスでの連携で
「経理標準化」を目指す

LIXILでは経理業務を集約して効率化するべく経理標準化プロジェクトを進めていた。しかし5社が合併したという経緯から、LIXIL全体を一本化することは困難であったという。この困難の解決に向けて、LIXILを強力にサポートしたのがアビームコンサルティングだ。



導入前の課題

・ホストコンピュータによる基幹システムの刷新

・旧5 社で経理業務がバラバラなため非効率な業務

・断念された全社でのSAP ERP 一本化構想


導入後のメリット

・セントラルファイナンスにより効率的な経理業務が実現

・S/4HANA導入によって拡張性や将来性が見えた



 

🔶計画変更を余儀なくされた経理標準化プロジェクト


ファイナンシャルシェアードサービスセンターを実現するために、SAPセントラルファイナンスを導入したLIXIL。その背景には、LIXILが5社を合併して生まれた会社であるという経緯があった。合併後、それぞれの経理業務がバラバラに行われていたのだ。これを1箇所に集め効率化するという、経理視点の発想からプロジェクトは始まった。


「もともとLIXIL全体に、SAP ERPを導入しようという構想がありました。売上や会計、在庫を含めてです。経理業務の標準化はすんなりと進んだのですが、旧5社の業務が複雑だったため、1つに集約できそうにありませんでした。とくに会計と旧5社でインスタンスが分かれてしまうのです」と野村氏は言う。


経理から見れば、ひとつのインスタンスで、グループ内を横断的に作業できる環境が望ましい。こうした背景から始まったのが、会計システムの共通化と、国内事業の標準化を目指す「経理標準化プロジェクト」だ。


しかしプロジェクトは簡単ではない。とくに水まわり事業と金属事業は、商材がまったく異なるため、生産工程なども当然違う。これを標準化するのは至難のわざと言える。「金属事業と水まわり事業では、販売ルートも違います。さらにこの2つの事業は、個別にホストコンピュータで動かしているんです」と、哘(さそう)氏は振り返る。


この難題を解決したのが「SAP S/4HANA for central finance(以下セントラルファイナンス)」とアビームコンサルティングだ。




デジタル部門

システム開発運用統括部

開発1 部 主査

野村 大樹氏


 

🔶困難な問題を解決したアビームコンサルティングの提案とは


LIXILでは、全社でひとつのSAP ERPを導入するという当初の構想から、アビームコンサルティングと共に歩んできた。しかし、前述のようにこの構想は実現が難しかったため、アビームコンサルティングから新たな提案があり、実現性をLIXILと検討したという。

その提案とは「会計と水まわり事業、金属事業にSAP ERPを導入する」そして、「セントラルファイナンスで連携させる」というものであった。


「アビームコンサルティングの提案は、事業ごとにSAP ERPを導入するというものでした。LIXILは方針として一気に入れ替えるといった、いわゆるビッグバンは行わないんです。このため段階的に導入できるこの提案は、ぴったりだったのです」哘氏はこの提案についてこう振り返っている。


実際に各事業に導入されたERPはS/4HANAだ。そしてこれをセントラルファイナンスで連携させ、会計業務を効率的に行う。一方でセントラルファイナンスは、導入事例が多くなく、日本ではLIXILの事例が最初とも言える。そこに抵抗はなかったのだろうか。


野村氏はこれについて「セントラルファイナンスは、企業が合併した時に使われるという認識がありました。今回のプロジェクトでは、ひとつの会社内の複数の事業と会計を繋げるものですから、アビームコンサルティングから提案があった時には、これが使えるのか!と思いました」。




 

🔶セントラルファイナンスの導入を約1年間で実現したプロジェクト


プロジェクトを開始した時、すでに会計にはSAP ECC6.0が本稼働していたという。セントラルファイナンスの利用にはS/4HANAが必須であるため、2020年の年末から年始にかけて移行。並行稼動期間なども困難はあったが、アビームコンサルティングとLIXILが一枚岩となった結果、スムーズに進めることができたという。


一方、国内初の事例とも言えるセントラルファイナンスの導入は、アビームコンサルティングにとってもチャレンジだったはずだ。しかしアビームコンサルティングの支援によりLIXILはこの前例のないチャレンジを乗り越えた。


海外事例や仕様を調査するとともに、ドイツのSAPスタッフにヒアリングを行い、主体的にかつ順調にプロジェクトが進んだのである。

もう少し詳しくプロジェクトを見ていこう。まず前述したように、会計部分をS/4HANA化するとともに、1つ目の事業は水まわりが選ばれた。2020年からは、水まわり事業へ在庫を流し込み、会計データを作成して実際の確認を進めたという。


なお本プロジェクトでは同時に、原価管理統合、ROICも導入している。このため、原価/在庫整備/金額確認/会計帳簿の照合など多くのステップを踏んで、数字が正しいかを確認。今年2月〜3月には水まわりと会計を連携させ、既存システムと並行稼動を行って、照合したという。