・ ERPをはじめとする多様な情報を活用し、予測型経営を実現する
・「 データ収集・加工」「AIを活用した予測」を自動化
・ 予測をするだけでなく、「予測を活かしたデータ分析」からアクションにつなげる
“AI”を活用した将来予測を基にデータドリブン経営を促進する
クラウドサービス「予測型経営DXサービス」
客観的かつ迅速な経営判断を支援する
──「予測型経営DXサービス」を開始された背景を教えてください。
首藤:TISは、20年以上にわたり、ERPに関わってきました。こうした中で、ERPに蓄積されたデータの活用、特に、データを分析し経営判断に活かす流れをスピードアップしたいと考えていました。
ここ数年は、企業を取り巻く環境変化が大きく不確実性も増してきており、今まで以上に、データ分析を基にした客観的な経営判断が非常に重要になっていると思います。しかし、経験や勘に頼る部分が大きい企業も多いため、我々がサービスをご提供することで、これらの企業をご支援できるのではないか、という思いからサービス化に至りました。
サービス化を進めるにあたり、様々な企業へのヒアリングや検討を重ねた結果、ERPに蓄積されたデータに加え、経営に影響を与える様々なデータを用いて将来を予測し、それらを業務の中で活用できる仕組みが求められていると確信しました。そのため「予測型経営DXサービス」は、単なる予測だけにとどまらず、予測を活かしたデータ分析から具体的なアクションにつなげることを重視しています。
DXの取り組みとして、社内外の様々なデータや予測を活用していきたいが、具体的な進め方や実現方法に悩む企業にぜひ活用していただきたいサービスです。
変動要因が影響を与える時間差も分析し、予測結果からアクションをも促す
──どのようなデータを使用して分析をしますか?
三谷:何を予測するかにより、分析に必要なデータは変わります。
販売数量を予測する場合であれば、ERP等の社内システム上の販売実績データはもちろんですが、販売数量に影響を与える変動要因データの活用も重要となってきます。例えば、社内システムからはSFAやCRM上のデータ、社外データからは政府統計データやマーケットリサーチ会社の提供する市場動向データ、POSデータ等、多岐にわたるデータの活用が考えられます。
また、経営視点では、早期に次のアクションの検討/推進をする上で、常に最新のデータに基づいた予測を行う必要があります。そのため、「予測型経営DXサービス」では、最新データを活用した予測が負担なく行えるように工夫をしています。具体的には、データ収集や収集したデータの加工、予測対象に影響度の高いデータの選定などを自動的に行えるようにしています。
──このサービスで使われている「AI予測」とは具体的にどのようにして予測を行うのでしょうか?
三谷:例えば、販売数量の予測を行う場合、これまでの販売実績だけでなく、それらに影響を与える変動要因のデータも用いて予測を行うことが重要であると先ほど申し上げました。ただ、この変動要因のデータとして何を用いるのが適切かを、人が判断することは難しいものです。
「予測型経営DXサービス」では、変動要因の候補となるデータを用意すれば、予測対象に影響度の高いデータをAIが特定します。また、その変動要因がどの程度の時間差で影響を与えているのかも分析対象としているため、「広告宣伝費を増やしたことによる影響が表れるのは4か月後」といったことも分析できます。そして、それらのデータを用いて予測を行います。
──予測結果はどのように確認でき、どのように活用できるのでしょうか。
三谷:予測結果の数値やグラフだけでなく、予測に影響を与える変動要因や影響を与えるまでの時間差等も含めて確認できるようにしています。
これにより、将来何が起きるかの予兆をいち早く捉え、アクションにつなげることができると考えています。
また、今回提供を開始した業務テンプレートでは、AIによる予測値に対して、予算、実績、変動要因を1つのレポートで表しています。
従来型の予実分析だけでなく、最新の予測値と計画との差異分析を行う事で、アクションを取るべき対象を明確にし、目標達成に向けて何をすべきか検討できます。
導入はもちろん導入後もTISが伴走し共に予測型経営を目指す
──導入はどのような手順で行われますか?
三谷:「予測型経営DXサービス」では、システム導入前に予測の業務活用にむけた事前評価を行う構想策定の実施を推奨しています。現在保有しているデータの種類や量、変動要因データの候補などを整理し、「どのようなデータをどのように予測へ活かすか。そして、予測をどのように業務で活用していくのか。」という構想を練るフェーズになります。
予測対象の数(製品数など)や扱う変動要因データの種類・量などで前後しますが、約4か月で構想策定フェーズが完了し、その後システムの導入が始まります。こちらもボリュームやスコープによりますが、データ収集や各種パラメータ設定、予測モデルの構築等を行い、3~6か月程で分析結果を経営に活かすことができます。
お客様により、利用されているシステムやデータの種類は異なりますので、カスタマイズが必要となる場合もあります。このような場合でも、個社要件に合わせて、必要となる変更や追加開発など、柔軟に対応しています。
──なぜ構想策定が必要なのでしょうか?
橋口:「予測型経営DXサービス」は、単純にシステムをポンと入れて終わり、ではありません。AIはあくまでも道具に過ぎないので、AIによる予測を業務で活用するためには、どの事業や製品にどう適用し、どのような業務を実現したら、どのような効果が出せるか?を、実際に活用される立場の方々と共に検討し、合意形成することが重要です。そのため、構想策定フェーズにおいて、お客様の事業や業務プロセスを整理し、予測を活かしたデータ分析や意思決定の目指す姿を明確にすることが必要であると考えています。
──予測型経営DXサービスを導入した企業に、どのような未来を期待しますか?
橋口:そうですね、ぜひ予測型経営を実現していただきたいです。現在も、Excelなどを用いた手作業を行っている企業は少なくないと思います。さらに、そうした作業に対して、属人的、非効率といった課題を感じている企業も多いでしょう。ただ、そのような場合こそ、「予測型経営DXサービス」の導入で、必ずや効果が出ると考えています。
もちろん、導入後すぐに結果が出るものばかりではありませんが、我々は「まずはここまでやろう」と段階的なステップを踏みながら確実にすすめていくなど、常にお客様に寄り添って進めてまいりますので、ご安心ください。
ぜひ、「予測型経営DXサービス」を活用していただき、ビジネス環境の変化を乗り越えていただきたいと思います。
首藤:TISは2011年からAI関連事業を行っており、専門組織・グループ会社もあります。データ分析についても専門の組織があり、さらにERPの専門組織もあります。これらの組織が一体となって創り上げたのが「予測型経営DXサービス」です。
“AIだけ”“データ分析だけ”“ERPだけ”ではなく、それぞれの専門家の知見を集結することで、実業務への適用を実現していきますので、自信をもっておすすめできます。
「予測型経営DXサービス」は、経営層から現場に至る企業の全員が同じデータを基に分析し、同じデータを基に議論しながら実業務に活かせるようになることを目指しています。予測型経営を実現するだけでなく、企業に関わる全員の方がそれを実感し喜んでいたけることを願っております。