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2020導入事例

伊藤忠商事株式会社 (導入:ウイングアーク1st株式会社)

紙帳票と電子帳票2つの基盤を統合し
新たな業務要件に対応する最新ソリューション

伊藤忠商事では、これまで利用してきた紙帳票と電子帳票システムが共に老朽化し、ペーパレス化などへ対応することが難しいことと非効率な業務の改善を目指していた。これらを解決に導いたのがウイングアーク1stの最新ソリューションだ。


 導入前の課題

  • 紙帳票の印刷を担うシステムと電子帳票システムが共に老朽化。また、紙帳票と電子帳票の基盤が別々に運用されているため、業務の効率化を阻害

 導入後のメリット

  • SPA IS 上での電子帳票を活用した紙削減、明細情報の出力を電子化したことによる残高確認業務を大幅に効率化。オンデマンド印刷へ転換する足がかりも得た


🔸老朽化と業務効率化を目指し、帳票基盤を再構築

伊藤忠商事が進める次世代基幹システム構築プロジェクトは、フェーズ1の「基盤刷新プロジェクト」とフェーズ2の「業務要件プロジェクト」の大きく2つのプロジェクトから成り、伊藤忠商事と伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)のもと、さまざまなパートナーと協業したマルチベンダー体制で進められている。 フェーズ1 では、2018 年5 月にSAP S/4HANA 化が完了し、全社統合基盤をリリース。これを活用する形でフェーズ2 では2020 年度末までに、経理・財務・与信などの複数の業務領域について、個別システムの再構築や業務要件を取り込んだ大規模改修を進めている。

並行して、2019 年から進められているのが帳票基盤の再構築だ。由村氏は「これまで利用してきた紙帳票および電子帳票のシステムが共に老朽化し、ユーザー要望の実現やペーパレス化などの時代の要請に対応することが困難になっていました。また、紙帳票と電子帳票で基盤が分かれていることでアーキテクチャー上、課題があり、非効率な業務となっています。これらを改善すべく、電子帳票と紙帳票を最新ソリューションで統合したいと考えました」と語る。

こうして伊藤忠商事とCTC は、複数のベンダーに提案依頼書を提示し、各社から寄せられた提案内容を比較検討。結果、ウイングアーク1st の文書データ活用ソリューション「SPA」と、印刷管理ソリューション「RDE」、さらにこの2 つの製品を統合管理する「SPAIntegration Service(SPA IS)」の導入を決定した。 採用のポイントとなったのは、次の3点だという。まず「帳票に関するすべてのソリューションをSPA IS で統合できる」、「SVF/SPA/RDE などの各製品レベルでも圧倒的な実績がある」そして「現在のSPA IS に不足している機能についても、他社も利用可能な汎用的なものなら個別のカスタマイズではなく機能強化として製品に反映される」だ。 なお、この新しい帳票基盤の名称は、SPA IS に対する強い思い入れから「SPAIS」と名付けられている。





 

🔸債権債務の明細情報をPDF やCSV で出力。印刷を削減した

それでは第1 期の構築を終えた新帳票基盤が、どのように運用されているかみてみよう。  まず、電子帳票を担うSPA は、経理や営業部署を含めすでに約2,300人が利用しているという。主な用途について金岡氏は「主な用途は、請求書PDFや為替予約帳票、残高確認帳票の閲覧です。2020 年度中に、会計帳票等100 種類以上の帳票がSPAIS に移行する予定で、ユーザー数と利用頻度はさらに拡大します」と語る。 従来、請求書といった帳票は紙でしか出力できず、また管理部署では具体的にどんな帳票が何枚出力されたかを知るすべがなかったという。ペーパーレス化を進めるために、帳票毎、営業課毎、送付先毎の印刷枚数を定量的に把握する必要があるが、SPAでこれらの課題が解決できたのだ。

さらに事前送付における紙の書類のスキャン作業がなくなったと、長沼氏は語る。「新帳票基盤では上位システムから送られてくる請求書データをもとに、紙の請求書と共にその控えもPDFで出力されます。これまでは紙の請求書をわざわざスキャンしてお客様に事前送付していたケースもありましたが、現在はそのような非効率な手間をかける必要はなくなりました」。 加えて残高確認用の帳票を、PDF やCSV で出力できるようになったのも大きなポイントだという。「特に海外現地法人向けの残高確認に関して、段ボール箱数箱分の膨大な量の紙を印刷していました。SPAISの活用法をユーザーと考え、残高確認に係る帳票は電子化(PDF、CSV)しました。これにより残高確認業務を大幅に効率化できました。印刷する紙の枚数も年間約20万枚から13万枚程度に削減できると見込んでいます」と、由村氏は語る。





🔸最大のポイントは、印刷業務そのものの変革

次に紙帳票を担うRDE を見てみよう。最大のポイントは印刷業務そのものの変革で、これについて「ペーパーレス化、電子化の流れがあり、印刷に必要な帳票の枚数は確実に減少してきている。センター印刷を廃止し、各部門でユーザー自身が欲しいタイミングで印刷行うオンデマンド印刷への転換を目指していく」と由村氏は語る。 印刷枚数が減っているとは言え、主に外部送付を目的とした帳票を年間150万枚印刷しているという。これを全面的にオンデマンド印刷に移行するとなると、大きな混乱が予想されるため、SPAISのPDF機能やレビュー機能を活用し、一層の紙削減やオンデマンド印刷に敵したUIの実装を目指す。

さらにRDE は、用紙管理に費やしていた工数を大きく削減。「これまで請求書については請求印を赤色で印刷したプレプリント用紙を使用しており、盗難・紛失を防止するため用紙管理が必要でした。支社・支店の管理室では、請求書を発行するたびに専用用紙を施錠付きのキャビネットから取り出してプリンターにセットし、使用枚数をカウントして印刷。使用後は余った用紙をふたたびキャビネットに片付けて施錠するなど、煩雑な手間がかかっていたのです。RDE の導入を機にこの運用を見直し、普通用紙にモノクロで請求印を印刷する方式としました。用紙管理が不要になったことで効率的かつ柔軟な印刷運用が可能となりました」と、由村氏は語っている。

このように新帳票基盤「SPAIS」は、業務での活用を広げ、現在も進化を続けている。「SPA とRDE、それらをシームレスに統合するSPA IS を導入することで新たな業務要件が出てきた場合でも対応できるよう将来の布石を打てたことは、非常に大きな意義があります」と浦上氏は語り、今後も伊藤忠商事とCTC、そしてウイングアーク1stで強力なスクラムを組み、システムと業務の両面から、新帳票基盤の構築プロジェクトを推進していく意向を示した。



会社概要 伊藤忠商事株式会社 創業:1858年 資本金:2,534億4,800万円 主な事業内容:繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において国内、輸出入および三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など幅広いビジネスを展開



🔸パートナー企業

ウイングアーク1st株式会社





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