2021サポーターソリューション
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
SCMを起点としたSAPシステムとITインフラの在り方を考える
NTTコミュニケーションズのコネクテッドバリューチェーン
新型コロナウイルス感染拡大の影響でサプライチェーンは大きな打撃を受けました。市場の変化に対する柔軟かつ迅速な対応力が求められますが、さまざまな問題から実現のハードルは高いといえます。私たちはサプライチェーン・マネジメント(以下SCM)をとりまく問題や課題から、SAPシステムやITインフラの在り方を再考し、お客様の経営力を強化するソリューションを提案します。
3つのPoints
・サプライチェーン・マネジメントの理想と現実
・S/4HANAをデジタルコアとするコネクテッドバリューチェーン
・ビジネスモデルを変革する「経営力強化ソリューション」の3ステップ
🔶大きな変化が訪れたことにより表面化したさまざまな問題
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、多くの企業が多くの問題を抱えています。外出制限や営業規制、入国制限などの規制によって、企業活動が大きく制限されているからです。その中で、製造業におけるサプライチェーンも打撃を受けています。急激な変化に対する対応が難しいという問題は、サプライチェーンがこれまでも抱えていた潜在的な問題でしたが、新型コロナウイルスの影響によってさらに顕著になったのです。
この問題を解決するためには“VUCA” を前提とした、SAPシステムとITインフラをもつことが大切だと、NTT コミュニケーションズ(以下NTT Com)は考えます。
🔶SCM の理想と現実
需給調整力の強化には、高精度な需要予測が必要です。一方で次のような現場の問題から、簡単には実現できません。まず現場レベルでの問題です。需要増減、生産遅れなどの突発的な対応に追われることが多く、効率的な需要予測や分析には至らないケースもあります。また、調達手配や生産依頼を「いつもどおり」に対応することも考えられます。しかしその結果、実際の需要に合わず欠品や在庫過剰という結果に繋がってしまうでしょう。
さらに業務のシステム化が十分に進んでいないケースでは、情報共有や需給調整ニーズへの対応も難しくなります。結果的にすべてを人海戦術で解決することとなり、詳細な分析を行えません。
このような現状から、高精度な需要予測は行えず、傾向分析にとどまっていることがほとんどかと思います。
では理想とするSCMとは、どのようなものなのでしょうか。それは「高度な需要予測の実現によって、需給調整業務が最適化されている状態であること」です。
この状態を実現するには「サプライチェーンのデジタルツインを仮想空間に構築する」ことが効果的といえます。これを実現できれば、最新の在庫量と需要の見通しから、在庫推移が算出できるのです。欠品を防ぎつつ、安全在庫を導入するタイミングと必要な在庫補充量を、調整に必要なリードタイムをも考慮して算出でき、的確な調整や生産指示が実現できるのです。このような、現実と同じ環境の仮想環境を用いたシミュレーションこそ、高精度な需要予測を可能とする、製造業のサプライチェーンに必要な武器といえます。
🔶理想と現実のギャップを埋めるためにすべきこと
SCMの理想と現実のギャップは、大きく2つあります。システム化やシステム連携ができておらず、サプライチェーン全体を俯瞰した分析ができていないこと。そしてリアルタムな分析ができていないことです。
このギャップを埋めるのは、S/4HANAをデジタルコアとし、それ以外の外部システムと連携してさまざまな分析を実現する、コネクテッドバリューチェーンなのです。
まずS/4HANAをフル活用するとともに、ERPと周辺システムが連携可能なITアーキテクチャを考え、システムを構築します。また、受注から納品、生産・分析まですべてのプロセスもあらためて整理します。そして輸送コストの適正化と、資産の有効活用による、サプライチェーンの最適化を図るのです。
また本ソリューションでは、サプライチェーン全体の最適化を促進するために、各業務を5Gハイブリッドネットワークで接続するという選択も可能です。たとえば生産や保管といった場面では、ローカル5Gで接続し、工場や倉庫内のネットワークを高速化。これにより、全製造工程のデジタル化や見える化の実現と、自動搬送(AGV)や自動倉庫システムの運用も実現。物流や販売といった場面では、パブリック5Gを用い製品の配送における配達ステータスや、配達車両の位置などをリアルタイムに連携、正確な配送状況を把握できます。
さらに、外部情報との連携により、新規事業への発展といった新しい価値も創出します。たとえば気象データやTwitterにおけるバズワード、さらに政治デモなどの情報を活用することで、分析の幅を広げ、これまでに得られなかったインサイトを得られるのです。
🔶自社導入のノウハウを活かした3ステップアプローチで経営力を強化
NTT Comは、ビジネスモデルを変革する「経営力強化ソリューション」の3ステップで、SCMを最適化し、経営力を強化します。この段階的な導入方法は、NTT Comが自社での導入経験を活かした方法であり、もっとも効率的に導入できる手法と考えています。
ステップ1は下地作りです。この下地作りこそ、コネクテッドバリューチェーンの構築そのものとなる、重要なステップとなります。
これまでのERPは一枚岩であったり、データ定義がシステムごとにバラバラであったりといったことがありました。これらを見直し、データ利活用を前提とした整理と標準化を推し進めます。中核となるSAP ERPの刷新も行い、S/4HANAによって「ヒト・モノ・カネ」をワンストップで最適化。同時に、システムのクラウド化も検討します。情報資産の保存場所や、データ連携における最適なつなぎ方を、お客様とともに検討します。クラウド化にはビジネスの変化にともなう、システムの仕様変更への対応を容易にする狙いもあります。なおNTT Comは、自前のSAP ERP向けクラウド基盤をもつほか、Azure やAWSなどのパブリッククラウドから、お客様のご要望に合わせて、適材適所に組み合わせて提案し、ロケーションを問わずグローバルで一元的に運用することが可能です。
さらに、システム間をセキュアに接続するプラットフォーム=デジタルコアとなるデータハブも提供します。また、IT運用の見直しも検討すべきと考えます。お客様が外部に任せるべきタスクと、そうでないタスクを適切に分類し、前者をマネージドサービスに任せることで、貴重な情報システム部門のリソースを有効活用していただきます。
続くステップ2は、先述した自社システム間のデータ連携・システム間連携のことで、自社バリューチェーンを形成する、コアとなる重要な部分です。だからこそステップ1での下地作りは、とても大切なプロセスとなります。
ステップ3は、お客様の未来を創るステップです。企業間や業界を繋いだ新事業の共創といった、大きなDXとなります。いわば未来のSmart Worldへ向かうためのステップなのです。
ステップ1と2でしっかりと下地ができているからこそ、「NTT Comと歩むステップ3」でお客様のより良い未来を創ることができるのです。こうした下地は今後企業が直面するであろう、さまざまなニーズの変化や環境変化に、十分に対応します。
NTT Comは、すべてのステップをトータルサポートできます。ぜひ共に未来のSmart Worldへ向かいましょう。
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