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2021活動紹介

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

前JSUG会長×EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
今だからこそ、「DXで何を実現したいのか」を考えてみよう

新型コロナウィルス感染症によってニューノーマル時代へと突入する中、ますます注目を集めるようになったDX。その実現のためにはどのようなハードルがあるのだろうか。今回はSAPユーザー企業のDXの現状、実現へ向けたポイント、そして課題について、前JSUG会長で新たにEYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)のテクノロジーコンサルティング部門の顧問に就任した鈴鹿靖史氏とEY Japanチーフ・イノベーション・オフィサーの松永達也氏が語り合った。




鈴鹿:この度EYストラテジー・アンド・コンサルティングのテクノロジーコンサルティング部門の顧問に就任することになりました。これまで計6年間、JSUGでの活動を通じて、多くのユーザー企業の皆さまの生の声に接してきましたが、皆さまの声をDXの実現に反映させるためにも、これからはユーザーに寄り添ったコンサルタントの育成に尽力し、皆さまのお手伝いをしていきたいと考えております。


松永:幸運なことに私たちのリクエストが叶い、鈴鹿さんをお招きすることになりました。今後とも専門的な立場からぜひアドバイスを頂戴したいと思っております。そこで今回はユーザー企業の皆さまのDXの取り組みについてお話をお聞きしたいのですが、まずその現状についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。


 

🔶「DXの現状と実現のためのポイント」


鈴鹿:多くのユーザー企業にとっては今、S/4HANAへの移行とDXの推進が大きなテーマとなっています。ただDXについては、その多くがPoC(概念実証)の段階にとどまっているようです。本来ならPoCを経て、実際のビジネスへ発展すべきなのですが、そうなっていない。問題はPoC自体が目的となり、そこで満足していることです。本当の意味でのDXの実現はまだまだできていないのが現状だと言えるでしょう。


松永:そうしたユーザー企業がDXを実現するためのポイントとは何でしょうか。


鈴鹿:それには3つのポイントがあります。まず1つ目は自社の強みを活かしながら、新しい技術を取り入れ、これまでにないサービスを実現するということです。とくに新たな技術を取り入れるには社内だけでなく、ベンチャーや研究機関を始めとした社外の知見を集める必要があります。2つ目が社内のデジタル変革です。多くのユーザー企業ではデジタル化は経理などの間接部門にとどまっており、これからは生産やR&Dなど直接部門にも拡大していくことが欠かせなくなっています。そして、3つ目が経営そのものの変革です。日本では大企業ほど決断が遅く、リスクを避けたがる傾向にあります。しかし、デジタル変革を進めるには、やはり経営そのものがデジタルに基づいた経営に変わらなければならない。この3つのポイントを融合させながら実現して初めてDXが実現できると考えています。


 

🔶「ユーザー企業のDXの課題とコンサルティングの役割」


松永:その一方、ユーザー企業にはどのような課題があるとお感じですか。


鈴鹿:トップ自らが「DXとは何か」をもっと理解する必要があります。もちろん変革には痛みも伴います。しかし、DXを実現しなければグローバル競争に勝つことはできません。そうした危機感をトップは持つべきでしょう。他方、DXでは現状、デジタル部門がリードする傾向にありますが、そこに基幹システムを管理する既存のIT部門も巻き込む必要があります。そうでなければ小手先のDXに終わってしまうからです。IT部門の知見をどう活かしていくかでDXの質が決まってくるのです。さらに、DXでは最新技術に詳しい人材が適任者だと思われがちですが、実はそうではないのです。むしろ、企業を変革する意気込みに満ち、多くの人を巻き込んでいく人材こそ適任者なのです。そうしたリーダーになれる人材を社内で育成していくことも課題だと言えるでしょう。


松永:確かにDXでは「D」よりも「X」、つまり、変革が重要になってきます。私たちも現在、変革のリーダーシップをサポートすべく戦略的な観点から様々なアドバイスを行っています。EYではプロフェッショナル・ファームとして「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」という理念を掲げています。いわば、環境、人、企業にとって良い効果をもたらす社会の実現を目指しているのです。そのためにも、目指すべき未来像とロードマップを策定し、グローバルな知見とAIなど最新のテクノロジーを活かしながら、DX推進のお手伝いをしたいと考えています。


鈴鹿:実際、ユーザー企業だけでDXを実現するには難しいものがあります。そもそもDXはあくまで手段であって、重要なことはDXを実現することによって「将来どのような企業になりたいのか」という明確なビジョンを持つことです。とくに、これからはより幅広い視点から社会的な課題やニーズに合わせたビジネスへ軸足を移していく必要があります。そのとき自らの立ち位置を見定め、将来を見通すためにも、客観的な視点を持ち、グローバルな知見に長けたコンサルティングが必要となってくるのです。


松永:EYでは社会における「長期的価値(Long-term value)」をクライアントの皆さまと一緒に考え、その実現に貢献していくことを第一としています。例えば、イタリアではワインのブランド偽装を防ぐためのブロックチェーンを構築しましたが、この知見を日本酒の販売管理に活用するなど現在、様々な業界でDXの事例を積み上げています。これからもEYはグローバルネットワークを活用し、一丸となってクライアントの皆さまの課題解決に努めていきたいと考えております。


鈴鹿:本当にビジネスにつながるDXはトライアンドエラーの中から生まれてきます。今回の新型コロナウィルス感染症によって日本のデジタル化の遅れが顕在化しましたが、今だからこそ「DXで何を実現したいのか」をぜひ考えていただきたい。私もEYSCの顧問として皆さまのお役に立てるよう努力していきたいと思っております。



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