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基幹システム刷新プロジェクトをスタートさせたヒロセ電機様。
業務改革やシステム導入など、改革に向けた議論をする中で直面した
さまざまな悩みをJSUG S/4HANAクラウド部会のメンバーに相談しました。
JSUG久下さん:ある商社さんの話ですが。そこはかつて100人の営業に50人の営業アシスタントがついている組織になっていました。SAPを導入し、クライアントの注文履歴や見積り資料を営業自身で用意できるように変えました。結果、かつてのアシスタント50人の役割は、集約された情報を戦略的に営業や経営に活用したり、企画していったりに変わりました。その結果、営業力は向上し、より売上に貢献できる組織に進化しました。営業のやることは増えている。でも全社の構造は変わって結果も出た。それぐらいの視野で考えていかないと、会社として良くなったと実感するのが難しいでしょうね。
JSUG酒井さん:現場は大変になりますし、起こる問題は簡単には解決できない。ですがプロジェクトの目的は業務負荷削減、コスト削減だけではない。売り上げを倍にするとか、大きな絵を描いてその元でプロジェクトを進めている。だから手間かかってもやる。そう腹をくくってもらわないと。「次のシステムではどれくらい業務が楽になるの?」なんて質問をされますけれど、楽になることばかりではない。そんなこと、面と向かって言ったらケンカになるから言いませんが(笑)。
ヒロセ・関さん:Aさんは大変になっても、隣のBさんが楽になれば、Aさんの仕事をBさんや他の人がやれば良い。そういう視点が大切ですね。
ヒロセ・宮下さん:「ビジネスをこう変えたい」という話と「SAPを使うのだからこう変わらなきゃいけない」という「変化」の観点でさまざまな壁にぶつかる。そこをまずユーザーに理解してもらうだけでかなり大変だなというのが今の悩みです。ここまでの話を聞いていると、一気に変化させると現場が負荷に耐えられないという印象です。
JSUG都筑さん:「変わっていく」って練習も必要だと思います。入社して数十年経ちますが、いままで業務の大きな変化というものはなかった。でもS/4HANAの導入で業務が変わっていったりとか、コロナ禍でS/4HANAクラウドにSaaSを連携し、出社しなくてOKになったりとか、徐々に変化があった。働き方が変わることは、仕組みと慣れじゃないかと思う時がある。まずはスタートして、3歩進んで2歩下がって改善する。その繰り返し。全体的に「一回試してみようよ」という雰囲気をつくると、あまりアレルギー反応がなくて済むかなという気がします。
JSUG酒井さん:我々は、稼働前に徹底したリハーサルと教育をやりました。ユーザーがOKというまで稼働させなかった。我々は数年前から準備していたので、ある時点で、「あとはユーザー次第」とバトンを現場に渡した。また、「稼働後は、IT部門は忙しくなるからあまり面倒見られないよ。」とも伝えました。すると急に現場の心に火が付き、意外に現場でしっかりやってくれましたね。
JSUG都筑さん:我々はある意味スタートありきで、「稼働後もちゃんと面倒を見るから」とアナウンスしていました。わからないところなどをケアして一年間かけて定着させていきました。訓練も大事ですが実態がわかっていないところで練習しても、あまり効果がないと思う。稼動スケジュールがタイトという問題もあり、その分、稼働後のケアを丁寧にやった。うちと酒井さんのところでは全く逆の方法で取り組んだけれど、今はどちらも問題なくS/4HANAを使えているのは面白いですね。
JSUG酒井さん:過去、5か国のグループ会社にS/4HANAを導入しましたが、SAP未導入の国の方がスムーズに進めやすかった。既にSAPが入っていたアメリカはすごく苦労しましたね。「そもそもなぜこのシステムに変えるのか?」の議論から始まりました。
ヒロセ・関さん:新しい会社になったと思って慣れていくしかない、ということですね。
JSUG都筑さん:そういう声が上がってくると、プロジェクトの推進は比較的良い方向に進みやすいですよ。
ヒロセ・関さん:社内でそう言ってくれる人は、まだ限られていますが。苦笑
JSUG都筑さん:それが大事ですよね。これは実体験なのですが、そういう前向きな言葉があると、少しずつ社内インフルエンサーが増えていって、誰かが助けてくれたり、応援団を送ってくれたりする。プロジェクトのはじめの方に、前向きな言葉があるから起こることだと思いますね。
JSUG久下さん:「新しい会社の組織や業務に、新しいシステムがぶら下がっているだけ」という発想もありますね。
ヒロセ・関さん:「新しい会社に入ってシステムが変わった。今日からみんな覚えよう。」位の意識、メッセージが大切なのですね。
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