top of page

中村屋が成功させたRISE with SAP移行プロジェクト
限られたダウンタイムを死守するため
富士通が提案した選択的データ移行「BLUEFIELD」

さまざまな取り組みを行いながらデータ活用を目指す中村屋


株式会社中村屋(以下中村屋)は、1901年創業の食品メーカーだ。カリーや中華まんなどが有名だが、クリームパンを創案したのも同社である。

同社は現在、食品廃棄ロスや人口減少による労働力確保といった、社会課題に対する取り組みを行っている。例えば需給管理システムを活用し、生産性の向上や営業から製造までを一貫した需給計画に基づいて運営している。

労働力に関しても、さまざまな取り組みがなされている。例えば経費精算システムなどのクラウドサービスを利用したり、RPAを導入したりして、業務効率の向上を図っているのである。一方で、蓄積されたSAPデータの活用にも大きな期待がかかっている。



ERP移行プロジェクトを計画。一方で許されたダウンタイムは5日間


中村屋ではこれまで、SAP ECC6.0をオンプレミス環境で利用していたが、サポート切れが目前に迫ることから、ERPの刷新を早急に進める必要があった。すぐにでも刷新したいところだが、中村屋には簡単に移行できない事情があり、移行プロジェクトは開始されていなかったのである。

まずひとつはダウンタイムの問題だ。多くの企業がそうであるように、ERPが停止してしまうと、業務が滞ってしまう。中村屋の場合、原材料を中心とした発注業務が滞り生産現場での生産停止を招く恐れがあったのだ。当然移行先のERPに、あとからデータを投入することも可能だが、量が増えればリカバリー時間もかかり入力ミスも増える。これらを逆算した結果、ダウンタイムは最長でも5日間と定められ、この間に移行を成功させなくてはならなかった。

そして新たなERPとして同社が選んだのは、RISE with SAPだが、一旦はSAPシステムの採用を白紙に戻している。当時、ECC6.0からの移行ということで、そのままSAPシステムへの移行を考えていたものの、経営層からさまざまな角度から比較検討を行うべきだと、指摘があったからだ。「経営層からは、現場の声を聞き、現状の課題を確認してから選ぶように言われた」と白井氏は振り返る。

2022年8月ごろより、実際に現場や経営層へのヒアリングを行い、1年を掛けて課題を整理。その結果、改めて選ばれたのがSAPシステム=RISE with SAPであったというわけだ。クラウドを選択したのは、SAPが特に力を入れていたことに加え、これまでオンプレミスで稼働させてきたからこその懸念があったからだ。「データは全体で6テラバイトありました。今後もオンプレミスでストレージを確保するとなると、先々のサイジングが大変です。そこで柔軟に運用できるクラウドを選びました」と柳町氏は振り返る。



富士通が提案したBLUEFIELDによるRISE with SAPへの移行プロジェクト


こうして移行プロジェクトは本格化する。プロジェクトのパートナー選定が行われ、選ばれたのが富士通だ。選定は、富士通と他数社からの提案を比較検討したのだが、その際、もっとも重要視したのは、先に挙げたダウンタイムの死守だった。ブラウンフィールドの提案では、現行環境の6TBの事前アーカイブと移行の作業がセットとなり工数や納期に不安があったが富士通だけは違っていた。

富士通はBLUEFIELDコンバージョン、すなわち必要なデータのみを選択し、ダウンタイムを最短化する手法を用いて、ダウンタイムを5日間に収めるという提案をしたのだ。この提案が決め手となり、富士通は選ばれた。なお、これまで中村屋と富士通は接点がなかったのだが、移行について相談を行っていたSNPから富士通の紹介を受けている。そう、SNPといえば、BLUEFIELDを作り上げたまさにその企業なのである。

そして2024年6月、富士通とともに、RISE with SAPへの移行プロジェクトは始まった。



不安から始まったプロジェクトは富士通への大きな信頼を抱き成功へ


プロジェクトは順調に進んだものの、開始当初は不安が多かったと白井氏はいう。例えば、移行データを1テラバイト以下にするという目標から、6テラバイトのデータをどこまで削減できるのかという、本質的な部分への不安だ。しかしこうした不安は、富士通とプロジェクトを進めていくうちに富士通から得られた信頼感によって解消された。多くのエピソードがあったが、ここではそのいくつかを紹介しよう。

まず、富士通メンバーの持つ豊富な知識と高いスキルだ。中村屋の経理メンバーが富士通に会計についての質問を投げると、内容をすぐに理解し、的確な回答がもらえると感心していたというエピソードだ。SAPシステムであればこうしたほうがよい、といったアドバイスや提案を含めた回答は、中村屋メンバーからの信頼を高めた。

高い知識は会計やSAPシステムだけではない。柳町氏は、インフラ・クラウド周りの高い知見にも驚かされたという。「インフラにAWSを採用しましたが、私たちには知見がありません。富士通に質問をすると、すぐに返ってくるのは心強く感じました。SAPとの作業範囲分担についても、詳細に教えてもらっています」と、振り返っている。

さらにアプリケーションを担当する堀江氏も、その知見に驚いている。「SAPシステムと連携するアプリケーションについて、テストで不具合が見つかったときに、原因がプログラムなのかSAPシステムの設定なのか判断しにくい部分がありました。富士通メンバーからのアドバイスがなければ、解決は遅かったと思います。BIツールとSAPシステムとの連携でも、かなり助けていただきました」と堀江氏はいう。

そして白井氏が、プロジェクトの成功要因と語るのが、富士通のPM高木氏の存在だ。「プロジェクト全体を通して、メンバー全員をリードしてくれました。その結果プロジェクトは成功できたのです」と高木氏への感謝を繰り返し語ってくれた。

富士通の持つ、知見とスキル、そして全体をリードするPMがいたからこそ、不安から始まったプロジェクトは、「富士通に任せれば大丈夫」という高い信頼へと変わったのだ。

こうして2025年8月20日から最終的な移行作業が開始され、25日からは無事、RISE with SAPでの業務が開始された。なお許された5日間のダウンタイムは、“1日巻く”形で完了し、最終日は予備日として充てられていたというから驚きだ。なおRISE with SAPには最新3年分のデータが保管され、その容量は500ギガバイトと、目標を大きく下回ることにも成功している。



データドリブン経営を目指す中村屋と富士通の新たな取り組み


今後は、SAPシステムを中核とするデータ活用を実施したいと、期待が膨らむ中村屋。また、今回の移行プロジェクトにより生まれた新たなインフラであるAWSに、現在稼働中の他システムを移行させるなどの有効活用を目指しつつ、さらにSAP fioriやRPAを活用した業務改善についても、積極的に行っていく。中村屋の新たな取り組みは、いままさに富士通とともに始まったばかりなのだ。

もしダウンタイムがネックとなり、ERPの移行をためらっているのであれば、ぜひ富士通に相談してほしい。SAPシステムはもちろん、会計や通信、アプリケーションからインフラまで、すべてにおいて多くの知見と高いスキルを持つメンバーが、必ずやプロジェクトを成功に導いてくれるはずだ。



ree

自社導入


株式会社中村屋


創業:1901年12月30日

設立:1923年4月1日

資本金:74億6,940万円(2025年3月31日現在)

売上高:372億4,800万円(2025年3月期)

パートナー企業


富士通株式会社


URL:https://www.fujitsu.com/jp/sap

bottom of page