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2019導入事例

トラスコ中山株式会社(導入:オープンテキスト株式会社)

OpenTextによるデジタル化で大幅な業務改善を実現


紙と手作業による請求処理のプロセスの見直しで経理部単体で月に126時間の業務時間削減

顧客が必要なものを、必要なときに、必要なだけ届ける「プロツールカンパニー」として、日本のモノづくりを支え続けるトラスコ中山。機械工具などの工場用副資材を中心に順調に事業を拡大させてきた同社では、国内企業としては先駆的なデジタル投資を実践してきた。現在もSAP S/4HANAへの移行プロジェクトの過程にある同社は、それに先立つ2019年4月、SAP Document Access by OpenTextを導入。これまで紙の書類と手作業に頼っていた請求処理プロセスをデジタル化し、SAP ERPとの連携による飛躍的な効率化と省力化を実現した。



🔸紙と手作業に依存していた請求処理プロセスの改善課題

1959年の創業以来、モノづくりのさまざまな現場を支える専門商社として、機械工具や物流機器、環境安全用品などのプロツールの卸売業としての実績を重ねる一方、自社企画開発のプライベートブランド「TRUSCO」も顧客から高く評価されるトラスコ中山株式会社。 先駆的なデジタル投資で知られる同社が、2020年1月に予定されているSAP S/4HANAの稼動に先立って、「SAP Document Access by OpenText」を導入するに至った背景には、毎月の経費に関する全国の拠点に共通する継続課題となっていた非効率な請求処理プロセスがあった。経理部 財務課 主任の大越陽平氏は次のように話す。

「当社では毎月、全国の拠点から月次の経費、振替の処理、そして10万円以上の資産計上化のための支払いの3つの経費請求処理の依頼書が出されます。しかし、そこではそれぞれ支払い依頼書の書式が異なるうえ、①現場(各拠点)での発注申請、②請求書の受け取り、③経理部への請求依頼書の送付、④経理部でのParadise=ECC 6.0への入力といった煩雑なプロセスで管理されていました」 しかも、ここ数年で請求書の数は増加の一途をたどり、すでに月次の請求書は約1,500通に達していた。ここでは当然、人的ミスの発生も避けられないことから、こうした非効率なプロセスはITを活用して早期に改善しなければならない課題として認識されるようになっていた。



森 徹宏氏 トラスコ中山株式会社 経理部 財務課 課長

 

🔸OpenTextのソリューションを採用しすべてのプロセスをデータで連携

2018年の初頭から具体的なソリューション選定に着手したトラスコ中山が白羽の矢を立てたのは、OpenTextのドキュメント管理ソリューション「SAP Document Access by OpenText」だった。その理由について、情報システム部 システム管理課 課長の鎌倉貴行氏は次のように説明する。 「当社では、すでに自社の基幹システム『Paradise』を構成するECC 6.0上でOpenTextのアーカイブソリューションを利用しており、2020年1月に予定されているSAP S/4HANAへの移行後も、同社の製品の継続利用が決定していました。こうした実績を考えると、OpenTextの選択はごく自然な判断でした」 当初はSAP S/4HANAへの移行に合わせて導入する案も社内にはあったが、ECC 6.0で導入したOpenTextならそのまま移行できることから、早期の目的達成やユーザーの習熟を考慮して、SAP S/4HANAよりも先行して導入をする判断に至ったという。 導入プロジェクトのキックオフは2018年7月。要件定義、プロセスの設計、またECC 6.0と連携するためのアドオン開発を経て、約9カ月後の2019年4月には第一フェーズとして情報システム部に限定した運用を開始した。現在は東京本社、物流センター、さらに各支店への展開過程にあるが、大きな問題もなく完了の見通しだという。

人手に依存したプロセスがOpenTextでデジタル化されたことで、現場の経費支払いの作業は大きく変わった。①現場(各拠点)での発注申請、②請求書の受け取り、③経理部への請求依頼書の送付、④経理部でのParadise=ECC 6.0への入力までの作業はほぼデジタル化され、人手が介在するのは受け取った紙の請求書を現場の担当者がスキャン(OpenTextのEnterprise Scanで実行)して、OpenTextの画面上で支払い依頼書とスキャンデータを紐づける処理だけになった。 この紐づけられた2つのデータはオンラインで経理部に送られ、経理部ではこれまでのような入力作業なしでParadiseに格納される。つまり、すべてのプロセスがデータを介して連携するようになり、作業の効率化やペーパーレス化はもちろん、人的ミスの根絶が実現した。



大越 陽平氏 トラスコ中山株式会社 経理部 財務課 主任

 

🔸過去のデータ資産がもたらすさらなるプロセスの効率化

OpenTextのドキュメント管理ソリューションを活用した今回のプロジェクトは、すでに請求処理の効率化・省力化以外の成果も生み出し始めていると、経理部 財務課 課長の森徹宏氏は語る。 「たとえば、毎月の請求書処理業務の平準化です。これまでは全国のどこの拠点でも、これらの処理は月末から月初に集中していましたが、現在は手元に届いた請求書をそのつど処理してシステムに入力できるので、月末に作業が集中することはなくなりました。このことは、業務時間のより有効な活用や働き方改革にもつながっています」

一方で大越氏は、蓄積したデータの活用を通じたさらなる効率向上にも期待を寄せている。 「たとえば、1つの取引先様に対して過去に何度か同じ処理を行っていた場合、履歴から支払い項目のリストなどを抽出して再利用できます。過去のデータを資産として活用することで、新たなプロセスへの利便性はさらに高まっていくはずです」



鎌倉 貴行氏 トラスコ中山株式会社 情報システム部 システム管理課 課長

 

🔸SAP S/4HANA移行後の電子帳簿保存法への対応基盤

今後のOpenTextの活用について、経理部では部単体で月に126 時間の業務削減効果を見込んでいる。これは導入当初に設定した数値だが、毎月の削減効果としてはかなり大胆な目標設定だ。 「実は、これは従来の紙ベースの工数の合計です。経理部に支払い依頼書が到着してから、入力と印刷、担当者チェックを何度も繰り返す時間数です。これがOpenTextによるデジタル化によって、ほぼ消滅する。それを126 時間と見積もっています」(大越氏) また、請求書などの紙の書類は法律で7 年間の保管が義務付けられているが、2020年にSAP S/4HANAに移行すれば、OpenTextを使った電子帳簿保存法への対応も始まり、文書の保存スペースが不要になる。時間的にも空間的にも大幅なコストダウンが可能になるというわけだ。

一方、情報システム部では、すでにその先に目を向けつつある。情報システム部 システム管理課 中鼻達也氏は、「この先、OpenTextのソリューションを使ってどんな機能を構築していけるのか。今後は現場からの依頼でシステムを作るだけでなく、これまで以上に情報システム部自らが進んで会社の業績に貢献できる体制にシフトしていきたいと考えています」と語る。 同様に森氏も「これから先は請求書の処理だけでなく、たとえばEDIをより進化させて、そこに紐づいている多様なデータを活用したOpenTextの新たなユースケースが次々に出てくるのではと考えています。そうなれば、OpenTextへの投資価値はますます高まっていくはずです」と語った。 SAP S/4HANAを中心としたトラスコ中山のデジタル投資において、OpenTextのソリューションは今後ますます大きな価値をもたらすはずだ。



中鼻 達也氏 トラスコ中山株式会社 情報システム部 システム管理課



図:OpenTextのソリューションを導入する前後の請求処理のプロセスの違い



会社概要 トラスコ中山株式会社 創業:1959年5月15日 資本金:50億2,237万円 売上高:2,142億97百万円 (2018年12月期) 連結従業員数:2,805名 (2019年9月末時点、連結) 事業内容:プロツール(工場用資材)の卸売業、及び自社ブランド「TRUSCO」の企画開発。 http://www.trusco.co.jp/



パートナー企業

オープンテキスト株式会社





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