2020導入事例

日本電気株式会社 (導入:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)

経営のスピードアップのためSAP S/4HANへ
AWSクラウドで標準化も目指す

NECが進めるDX の一環として、本社基幹システムをSAP S/4HANAにコンバージョンし、さらにオンプレミスでの運用をクラウド化することに決定した。選ばれたクラウドはアマゾン ウェブ サービス(AWS)だ。


 導入前の課題

  • 経営のスピードアップに対応できない。オンプレミスのためサーバ負荷に対する増強が困難。運用に専任の運用者が必要。コスト高

 導入後のメリット

  • SAP S/4HANA on AWSによる標準化で運用負荷とコストの軽減を実現。

経営のスピードアップやデータ活用、オートスケールにも期待



🔸NECが進めるG1プロジェクトはSAP S/4HANAとクラウドへと進む

NECでは、2010年からG1プロジェクト(Global One)を進めている。これはNEC がグローバル市場での競争力を維持し、より高めるため、経営のスピードアップや経営基盤のコスト低減を目的として、国内外の連結子会社でばらばらであった業務プロセスの標準化を進めるものだ。 この一環ですでにSAP ECC6.0 を採用している基幹システムだが、データに基づく経営判断にはまだ課題があったという。これをデジタルトランスフォーメーション(以下DX)で解決するため、まだ保守期間に余裕のあったSAP ECC6.0 をSAP S/4HANA 化することに決めたという。

まず予行演習として、アジアパシフィックにおけるG1 に対して、2019年10 月〜2020 年6 月にかけてオンプレミスのままSAP S/4HANA に移行、問題なくコンバージョンが完了した。これを足がかりに2020 年度、本社を含めたコンバージョンを行うことと、同じタイミングでのクラウド化を決めたという。 これまでの活動により約1400 ものシステムを半分程度に集約、今日までにG1 周辺システムに200システムほどが残っていると言うが、これも合わせて統廃合・ハイブリッドクラウド化を検討している。


松島 宏明氏 日本電気株式会社 経営システム本部 シニアマネージャー


🔸見据えるのはAWS採用によるグローバルスタンダード化

本社のSAP S/4HANA 化やクラウド化は、2018 年頃から検討を始め、具体的になったのは2019 年に入ってからだ。当初はオンプレミスのままSAP S/4HANA にコンバージョンすることを考えていたというが、コスト削減や、オンプレミスではコストや工数という点で難易度の高かった、高負荷時のサーバ増強をオートスケールによって柔軟に行えることなどを鑑み、クラウド化を決定した。

ではなぜ、数あるクラウドからAWSを選んだのだろうか。主な理由は、以前より社内システムでのAWS 利用があり実績と信頼があったこと、更に社内イントラとして利用できるAWS 環境が整備され、基幹システムへの適用が可能になったこと。また、NEC はAWS 認定資格の取得者数が日本トップ(2018年、2019 年実績) であることも関係している。これついて伊藤氏は「弊社はAWS 認定技術者がトップクラスなんです。AWS を採用した場合、この大きなノウハウを活かし、導入や運用に活用できることも狙いです」と語る。もちろん、先述のコスト削減やオートスケールについて網羅できることも、選定に繋がった。

他にも理由はある、松島氏はこう語る。「いま基幹システムの運用は専任の人間が行っていますが、AWS 基盤にすることで、グローバルデファクトスタンダードな設計に直せます。これにより運用の標準化ができるのです。標準化の適用範囲を拡大していくことで、更なる運用負荷の軽減も狙っています。」


伊藤 厚氏 日本電気株式会社 経営システム本部 主任


🔸短期間の設計を実現したAWS Well-Architected

プロジェクトはまず、机上での検証を行い、移行の方法や環境をどこに置くかなどといった課題を、AWS とともに進めたという。この設計、評価は4 月から2、3 ヶ月程度という短い期間で完了したというが、その秘密はAWS にあった。それが「AWS Well-Architected」だ。 AWS Well-Architected は、いくつかの質問に答えると、クラウドにおける運用やセキュリティ、スペックといった「ものさし」を用意してくれるのだ。松島氏は「最初に社内のAWS 技術者とAWS に協力頂きアンケート(AWSWell-Architected)を取ってもらいました。これにより" ものさし" ができたんです。これをもとに進めたからこそ、早い評価、設計に繋がったんだと思います」と話す。

特にNEC のような規模の大きな基幹システムでは検討課題も多く、当然設計工数も増える。しかし、AWS から的確な「ものさし」が提供されることによって、評価、設計工数の大幅削減を実現したのだ。まさにAWS の知見が活きたエピソードと言える。 なお、2021 年5 月に本番移行予定の本プロジェクトは、現在(2020 年8 月)実機検証まで済んでいるという。今後は本番移行作業を5 月の連休5 日間で行うため、7~8ヶ月を掛けてコンバージョンのリハーサルを行う予定だ。実機検証をもとに、本番データを使った切り替え作業を繰り返し、作業時間を図り、手順書をより精度の高いものにしていくという。 このリハーサルでは2 つのポイントを含めて検証するという。1 つはアプリケーションを新しい基盤に載せた試験。そしてもう1 つは運用テストで、新しい運用設計であるAWS基盤上できちんと運用が回るかという試験である。本記事がJSUG INFOに掲載される頃には、リハーサルも終盤に差し掛かっているはずだ。


🔸移行後はオートスケールに期待 AWS と連携したソリューションも

移行後は、SAP S/4HANA を中心に、残るシステムの中で親和性の高いものをAWS へ移行する予定だという。シンプルにSAP S/4HANA に寄せることで、SAP on AWS というグローバルスタンダードな運用をより完全なものにするためだ。さらに、データ活用という点でも、標準化によってより活用しやすくなることになるため、より精度の高い活用に向けて取り組む予定だ。

また移行後の稼働について、AWS のオートスケール機能「AWS AutoScaling」に期待している。特に高負荷が予想される決算時期でも、AWS AutoScaling によってリソースがスケーリングできるため、サーバの増強や監視作業といった工数削減が望め、安定した決算作業を行えるからだ。 こうしたNEC のSAP S/4HANA 化、及びAWS によるクラウド化は、本プロジェクトのノウハウを活かし、他社に対するコンバージョンなどといったソリューションの提供を予定しているという。日本企業のすべてが急務とも言えるDX、そして目前に迫る2027 年問題、どちらも残された時間は短いものだ。2021 年はNEC とAWS のタッグから目が離せない1 年になりそうだ。


🔸AWSクラウドでのSAP活用

AWS で SAP アプリケーションを実行することにより、効率と革新を新たなレベルに引き上げます。レガシー SAP ランドスケープをリフトアンドシフトする場合でも、より広範囲のデジタルトランスフォーメーションの一部として S/4HANA で最新化する場合でも、クラウド上で SAP を実行する AWS の比類のない体験をご期待ください。この実績と、SAP on AWS を実行している 5,000 以上の顧客が組み合わされたことにより、AWS はSAP ワークロードで最も実績のある信頼性の高いクラウドになりました。 具体的な、SAP on AWS 関する詳細についてはオフィシャルサイト「AWS クラウドでのSAP 活用」を参照ください。



会社概要 日本電気株式会社 創立:1899年(明治32年)7月17日 資本金:4,278億円 (2020年7月10日現在) 売上収益:2019年度実績 単独 1兆7,897億円 連結 3兆952億円 グループ主要事業:社会公共、社会基盤、エンタープライズ、ネットワークサービス、          グローバル



🔸パートナー企業

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社