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2020導入事例

フォスター電機株式会社 (導入:株式会社BeeX)

BCP強化と運用コストの削減へ
SAP ERPをGoogle Cloud上に
4か月でスピード移行

BCP対策のさらなる強化と運用コストの低減、そして柔軟性の向上を目指すフォスター電機はSAP ERPの基盤をGoogle Cloudに移行することを決定。当時前例のなかったこの移行プロジェクトをサポートしたのは豊富な実績を持つBeeXだ。


 導入前の課題

  • 事業継続計画(BCP)の強化と運用維持コストの削減のため、SAP ERPの基盤をGoogle Cloudに移行を決定、当時日本で前例がなかった移行プロジェクトへの挑戦

 導入後のメリット

  • コロナ禍にも関わらず短期間での移行作業を完了。Google Cloud は安定した稼働に加え、アプリケーションの高速化を実現。AI、ビッグデータ活用の足がかりを得た



🔸BCP 対策の強化などを目指し、基盤をGoogle Cloud へ移行

フォスター電機では、東日本大震災による計画停電の影響で、オンプレミスで稼働していた基幹システムの停止リスクに直面したという。結果的には停電という最悪の事態は避けられたものの、これを機に事業継続計画(BCP)を再検討し、2015 年5 月、SAP ERP や周辺システムをクラウドに移行した。 そして移行から5 年が経とうとする2019年、新たに基幹システムの基盤の見直しを決定したという。その目的について、「BCP 対策のさらなる強化、運用コストの低減、そして柔軟性の向上を目指しました。加えて、当社がデジタルトランスフォーメーションを進めるにあたり、AI やビッグデータの活用に向けたファーストステップとする狙いがあります」と、田沢氏は語る。

数あるクラウドサービスから、Google Cloudを採用したのは、フォスター電機が2011年から導入しているGSuite の信頼が大きかったからだ。さらに2018年にはミャンマー工場へ製造実行システム(MES)を新規導入する際に採用したGoogle Cloudの実績も大きいという。稼働から2 年間、安定した稼働と運用が続いているからだ。 移行パートナーはGoogle から推薦があったBeeXを選んだ。その理由はSAP ERPのクラウド移行に関する豊富な実績が決め手となり、さらにマルチクラウドにも対応できる点も大きかったという。

しかし選定中の2019 年当時、国内ではGoogle Cloud上でSAP ERPを稼働させている実績はなかったため、移行プロジェクトに不安があったはずだ。これについて中村氏は「移行事例がない中、BeeXは初めてのチャレンジに対して前向きでした。私達と同じ方向を見ながら、一緒に進めるであろうという、期待感がありました」と語り、プロジェクトを前に、不安よりもBeeX への期待感が勝っていたことを伺わせる。






🔸短期間での導入をテレワークで実現 運用負荷軽減やサーバの柔軟性も

移行プロジェクトは安全性を優先し、SAP ERPや周辺システムに大きな変更を加えず、最短期間でGoogle Cloudへ移行する方針とした。具体的にはSAP ERPのOSイメージを既存環境からエクスポートし、新環境へ移行。続いてOSやSAPカーネルのアップグレードを実施し、最終的にデータ移行をおこなうというものだ。 このプロジェクトは2020年1月に始まり、環境設計、移行手法の検討を行うPoC、移行設計、環境構築、そして移行リハーサルやテストを経て、開始から4ヶ月後にあたる5月、週末2 日間で本番移行を実施、移行を実現した。この期間には、新型コロナウィルスの影響もあり、テレワークによる対応だったというが、にも関わらず短期間での移行を成功させたことも特筆に値する。

Google Cloudへの移行後だが、基盤には一切のトラブルはなく、安定した稼働を続けている。アプリケーションのレスポンスは向上し、最大で82%向上したケースもあるという。さらに運用負荷軽減、コスト削減に加え、サーバ調達関連の柔軟性といったメリットも大きく、佐藤氏はこう語る。「検証環境や開発環境は、使わない夜間や休日に落としておくことで、無駄なコストがかからずにすんでいます。さらに、サーバーはインスタンスコピーだけで起動できるので、急なテストの要求にも柔軟に対処でき、テスト品質の向上に貢献しています」と語る。 本プロジェクトの目的達成はもちろん、短期間での移行作業や安定した稼働に加え、多くのメリットを得ることが出来たのである。BeeX と歩んだGoogle Cloud 移行プロジェクトは大成功を収めたと言える。



🔸Google CloudとBeeXのタッグでAIやビッグデータの活用を目指す

フォスター電機におけるSAP ERP関連システムのGoogle Cloud 移行プロジェクトは3つあり、今回のSAP ERP及び周辺システムの移行はフェーズ1に相当する。現在は2020年下期のリリースを目指す、データウェアハウスやグローバル系業務システムの移行作業、フェーズ2 が進行中だ。続くフェーズ3では、これら以外の残るシステムが稼働するサーバをGoogle Cloud に移行する。 このプロジェクトは既存のクラウドサービスで運用していたシステムを、原則Google Cloudへ移行するものだといい、オンプレミスで稼働しているシステムについても、可能な限り移行し、本社で管理するサーバをゼロにすることを目標にしているという。

さらに、フォスター電機では、デジタルトランスフォーメーションの実現に向け、AI やビッグデータの活用を構想しているという。田沢氏は「SAP ERP上のデータ、製造系データ、IoTデータなどをGoogle Cloud Platform 上に集約し、それぞれを組み合わせて分析することを検討しています。また、BeeX からビッグデータ分析の"Google BigQuery" を紹介いただき、現在導入を前向きに考えています」と、デジタルトランスフォーメーションをBeeX と一緒に進めていくと語っている。

短期間かつ、日本で前例のないプロジェクトの成功は、BeeX のサポートが活躍したことは間違いない。佐藤氏は「私たちもSAP ERP を日常的に運用していますが、BASIS に関する知識は不足しがちです。こ点、BeeX はナレッジも豊富で非常に助かりました」と評価、田沢氏も「難しいプロジェクトに正面から対処いただき、4 カ月の短期間で移行していただけたことに感謝しています」と語る。 ビジネスの変化に柔軟に応えることを実現するGoogle Cloud とBeeXのタッグは、これからもフォスター電機の新たなビジネス戦略やIT 戦略を支えていくことは間違いないだろう。






会社概要 フォスター電機株式会社 創業:1949年 資本金:67億7,000万円 主な事業内容:スピーカおよび音響機器・電子機器の製造、販売



🔸パートナー企業

株式会社BeeX(ビーエックス)





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