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イーグルブルグマンジャパン株式会社 (導入:富士通株式会社)


S/4HANA移行の第3の選択肢として
大注目のBLUEFIELDアプローチ
S/4HANAへのコンバージョンと
インスタンス統合を短時間で実現


一般産業機械業界向けメカニカルシールの最大手・イーグル工業を支えるイーグルブルグマンジャパン。

将来的にERP、CRM、PLMの3つのシステムをコアとしたDXシステムの構築を目指す中、その第一歩として短期間でのSAP ECCからSAP S/4HANAへのコンバージョンをBLUEFIELDアプローチで実現しました。




<プロジェクト前の課題>

・2013年にSAPシステムに基幹業務を統合したが、SAP標準機能を活用しきれていない

・大量のアドオン資産により、システムの運用が煩雑化、コスト高に

・SAP ECCサポート終了が迫るが、社内外のSAP人材の不足



<プロジェクトの成果>

・BLUEFIELDアプローチを採用することで業務フローは見直しつつ、蓄積された膨大な過去データも活用可能に

・DX実現のためにコアシステムの自動化を推進。第一歩となるS/4HANA統合がスタート

・統合により運用にかかわるリソース共有が可能に

・9割超のアドオンを削減、標準機能の活用度が約1.5倍に




DX実現のためにコアシステムの自動化を推進

第一歩となるS/4HANA統合がスタート


イーグルブルグマンジャパンでは、ERP(基幹業務)、CRM(顧客管理)、PLM(技術関連文書管理)のシステムをコアとし、基幹業務を統合した、新たな中核システムの構築を目指している。既存の業務フローを見直し、データ活用を容易にした上で、システム間のシームレスな連携で、更なる自動化を加速させ、DXを実現することが狙いだ。

その第一歩として行われたのが、DX基盤となる基幹システムを、SAP ECC 6.0からSAP S/4HANAへバージョンアップさせ、イーグル工業のグローバルシングルインスタンスへ統合する今回のプロジェクトだ。

統合における基本的な考え方はFit to Standard。ただし、必要なデータは可能な限り移行するという要件があり、プロジェクトにおいては次の3つの方針を打ち出し、プロジェクトを推進した。

「まずはイーグル工業の SAP S/4HANAへシステムを移管する中で、当社だけの業務で必須となるSAPのカスタマイズ・プログラムは最小限とすること。次に、不要なマスタデータは移行しないこと。3つ目は、トランザクションデータは、全データを移行対象としました」と伊藤氏は振り返る。

イーグルブルグマンジャパンは2013年にSAPシステムにて基幹業務の運用を開始。業務改善要求に合わせたアドオン開発を続けた結果、システムの運用は煩雑化、コスト高になっていたのだ。



S/4HANA移行のための新たなアプローチ

第3の選択肢・BLUEFIELDとは


 SAP S/4HANAへ移行する主なアプローチは、システムを新規構築する「Greenfield」、ECCをそのまま変更なくコンバージョンする「Brownfield」、そして「BLUEFIELD」の3つである。BLUEFIELDはビジネスプロセスを変更しつつも、過去データを選択・変更の上、移行することで有効活用する方法だ。

今回のプロジェクトでBLUEFIELDを選択した決め手を柏木氏は「システムの業務フローを見直しつつ、これまでに蓄積された膨大なデータを今後も活用できる点でBLUEFIELDアプローチが最適だと判断しました」と語る。

さらに背景を詳しく掘り下げれば、システムの業務フローを見直すためには、マスタやカスタマイズ、これに紐づくトランザクションデータをイーグル工業のシステム・コード体系に合わせる必要があった。そのため今回のプロジェクトでは、品目・仕入先・勘定などのコード値や、伝票タイプなどのカスタマイズ関連のコード値を過去データも含めて変換しながら、データ移行を実現できるBLUEFIELDアプローチが最適だったのだ。

しかし、方式検討を実施していた当時、BLUEFIELDはまだ事例が少なく、加えて、フルリモートで作業することもあり不安な時期もあったという。

 「だからこそ、富士通やパートナーを交え、会社間の壁を越えて課題解決のために徹底した議論を繰り返しました。ポイントとなるデータ変換要件の洗い出し、移行後の検証箇所やシナリオ作成など、BLUEFIELDアプローチの特性への理解が深まっていくと、次第に手応えを感じられるようになりましたね」(柏木氏)


企画管理本部

IT部 部長

柏木 博史



ダウンタイムのリミットは44時間。

難しいハードルを乗り越えるための秘訣とは?


 プロジェクトを推進する上で大きなハードルだったのが、移行のためのダウンタイムを可能な限り抑えることである。当初、本番移行時のダウンタイムは1週間程度と試算されていた。しかし、業務の制約を考慮すると、アジア、ヨーロッパなどに複数拠点を抱えるイーグル工業のグローバルインスタンスへの統合は、44時間以内に完了する必要があったのだ。

今回のインスタンス統合では、3つのSAPシステムを利用した。(1)データ移行元となる当社のSAP ECC、(2)稼働中でデータ移行先となるイーグル工業のSAP S/4HANA、そしてその中間に位置する(3)データ移行処理をコントロールするSAPシステムだ。

「短時間でのデータ移行を実現するには、BLUEFIELDアプローチを採用し、手順を明確にした上で、各システムに最適なサーバリソースを割り当てる必要がありました。事前の綿密な打ち合わせを行い、プロジェクト開始前にクラウドへリフトアップして、柔軟にサーバリソースの最適化を実施できたことが、成功の秘訣だったと思います」(伊藤氏)



企画管理本部

IT部 データ統括課長

伊藤 拓矢



25時間でデータ移行完了。アドオン9割以上削減

SAP標準機能の活用度は約1.5倍に向上


 プロジェクトは富士通や同社のアプリケーション保守ベンダー、イーグル工業のIT部門が連携して進められた。事前に課題やゴールを明確にしながら進行した結果、本番では1,500を超えるSAPテーブルを25時間で移行完了。ビジネスに影響を与えることなく、システム統合を実現することができた。

「BLUEFIELDの採用、移行リハーサルを通じて、データ移行手順やサーバリソースをあらかじめ最適化できたことが良い結果を生みました」(伊藤氏)

 統合後のシステムは、ガバナンス強化はもちろんのことイーグル工業のITメンバーや保守ベンダーのリソースが共有され、活用できるようになった。 

「業務フローの見直しにより、これまであったアドオンは9割以上を削減できました、SAP標準機能の活用度は約1.5倍に向上し、将来のバージョンアップにもより対応しやすいシステムとなりました」と伊藤氏は統合後の効果を力強く語る。



SAPに関する富士通の技術力と

プロジェクトマネジメント力に今後も期待


今回のプロジェクトを成功させ、同社のグループ全体のERP、CRM、PLMなどのシステムが連携し、さらなる自動化によるDXの実現に向けて再始動していく。次の挑戦は、アジアパシフィックとインドのインスタンス統合だ。

柏木氏は、今後も富士通に期待することとして次のように語った。

「弊社にはSAPエキスパートがいないため、富士通の豊富な人材と、高品質なプロジェクトマネジメントが今回の成功を手助けしてくれたと思います。今回、期間の都合で対応を見送った箇所などに挑戦するために、今後もその経験とノウハウをもとにした、より大きなバックアップを期待しています。グループのDXを加速させていくために、引き続きご支援をよろしくお願いいたします」

 今回のプロジェクトのその先に、DXシステムの構築を目指す同社。今後も富士通はSAPシステムに精通した確かな技術力とプロジェクトマネジメント力で支援を続けていく。




導入企業

 

イーグルブルグマンジャパン株式会社

創立年 :1989年3月

資本金 :29億3,000万円

従業員数:832名(2022年09月現在)







パートナー企業

 

富士通株式会社

https://www.fujitsu.com/jp/services/application-services/enterprise-applications/sap/


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