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ネオクリティケア製薬への短期間S/4HANA導入プロジェクト
成功の鍵はアドオン排除の徹底とB-EN-Gのテンプレート活用
そして業務ユーザ・取引先との丁寧なコミュニケーションにあり




既存基幹システムからの離脱、新基幹システムにS/4HANAを選択

 


ネオクリティケア製薬は、医療現場ですぐに使用でき(Ready-To-Use)、細菌汚染や空気汚染の恐れの少ないソフトバッグ製剤等を開発、製造、販売している製薬会社だ。創業80年を超える歴史があり、その社名には、「重篤な(クリティカルな)状況に身をおかれる患者様/医療従事者様をケアする」という理念が込められている。自らの販売網による医薬品供給のほか、多数の製薬会社から受託製造(新薬・長期収載品・ジェネリック)も行っている。

2019年、同社はグループ再編によってこれまで利用していた基幹システムSAP ECC6.0からの離脱を迫られていた。既存システムの利用には期限があることに加え、利用範囲としても、財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、購買・在庫管理(MM)、生産管理(PP)、品質管理(QM)から受発注データ交換システムに至るまで広範であったため、離脱プロジェクトは大変チャレンジングなものになると予想されていたのである。

新たなシステムの選定の際、SAP以外も候補に上がったが、これまでSAP ERPを活用してきたという自負と、業務運用上の安心感、そして「ERP」として経営計画に資するシステムであるという実感から、SAP製品に決定。SAP ECC6.0へのリプレイスも考えたが、当時2025年に迫っていたサポート期限問題(後にサポート期限は2027年まで延長)を踏まえ、SAP S/4HANAを選択した。

 



短期間導入PJの鍵はアドオン排除とB-EN-Gp、そして同社の丁寧なコミュニケーション

 


短期間のS/4HANA導入プロジェクトは、ビジネスエンジニアリング(以下B-EN-G)が担当した。パートナーにB-EN-Gを選んだ決め手は、同社の持つSAP導入実績や、必須となるJD-NETとの接続についてのノウハウ、オリジナルテンプレート「B-EN-Gp」などを有する特徴のほか、「製薬に対する深い造詣」に加え「温和な人柄(カルチャー)」にも好感を持てたという。そしてプロジェクトは、2020年7月にキックオフ、既存基幹システムからのEXIT期限がいよいよ迫った頃だ。

このプロジェクトは前述したように、アドオンの開発は極力行わないよう進められた。これはこれまで利用していたSAP ECC6.0において、標準機能を最大限使用したシステムおよび業務構築ができていたという経験、実績、自信があったためだ。

ユーザからはアドオン開発を必要とするようなリクエストもあったというが、これを説得し、アドオン開発を極力なくせたのは藤川氏らが入念に行ったコミュニケーションによるものだ。まず、アドオンを開発せずにプロジェクトを進められるよう、B-EN-Gに運用でカバーする方法をアドバイスしてもらったという。これを藤川氏がユーザに対し丁寧に説明し、S/4HANAはほぼ標準といえるシンプルな構成を実現した。

標準化を成功できた理由について三谷氏は、ECC6.0においてネオクリティケア製薬が経験した、アドオン周りの不具合などから得たカルチャー「極力シンプルに」と、B-EN-Gの考え方がマッチしたことが理由だという。例えばS/4HANAの標準機能では実現できそうになかった部分について、B-EN-Gに提案を求めると、安易なアドオン開発ではなく、運用でのカバー方法を提案してくれたからだ。こうした両社の方針により、アドオン開発は帳票において一部行われたものの、基本的にB-EN-Gのオリジナルテンプレート「B-EN-Gp」のみで実現している。結果的にアドオン開発によるコスト増といった問題も発生しなかった。

プロジェクト成功の鍵は、ネオクリティケア製薬が行ったB-EN-Gとユーザとの密接なコミュニケーションだけではない。当然ではあるが基幹システム変更の影響を受けるのは社内だけではないからだ。このため同社は、主だった取引先に赴き、帳票の変更点などを細かく説明して回ったという。こうした説明においてもB-EN-Gは、新たな帳票のサンプルといった資料を準備するなど、多くのサポートを行ってくれたと藤川氏は振り返る。結果的に関係先への説明も大きなトラブルなく進められ、関係先向けにアドオン開発を行うといった事態も避けられたという。

プロジェクトでは、ECC6.0で苦労していたマスタの調整について懸念があったというが、やはりS/4HANAでも苦労を強いられたという。一方で困難を予想していたことから、調整には十分な時間を設けて実施し、トラブルなく完了できた。

こうして短期間のS/4HANA導入プロジェクトは、無事成功を収めたのである。

 



基幹システム以外の構築にも期待、両社の信頼関係は今後も続く

 


S/4HANAによる通常業務が2年以上行われた現在では、これがS/4HANAの標準機能なのだと、ユーザも理解して利用してくれていると感じているという。そして日々の業務を通じ、本当に必要だと考えられる新たな要件も見えてきたという。三谷氏はまず標準の環境でのオペレーションをチャンレンジしてみて、それでもその標準環境では業務が成り立たない場合にのみ機能開発を行うと決めていると振り返りつつ、今後B-EN-Gへ新たな要件について提案を依頼したいと期待を寄せた。また、S/4HANA以外の製薬業向けシステムの構築にも期待しているという。

今回の取材を通じて伝わってきたのは両社の強い信頼関係だ。例えば三谷氏はプロジェクトを振り返り、オリジナルテンプレートB-EN-Gpの機能説明やその導入メリットが詳細機能ごとに明確に示された初期提案書(プロジェクト計画書)には目を見張ったと語る。

また運用を担う山田氏も、現在、運用保守を担うB-EN-Gのグループ会社B-SERVについて「弊社の社風や業務によくマッチしていて、コミュニケーションが取りやすい印象。週に1度定例会を行っていますが堅苦しくなく、柔軟に対応してくれるため心強い」と語っている。

さらに藤川氏はこうも語っている。「システムのシンプル化と、コスト削減はイコールではありませんが、結果的に両立できたことは素晴らしい。各所とコミュニケーションを重ね、我慢も苦労もしましたが、ほぼ現場の意向に沿えたこともよかった。成功の鍵はB-EN-Gとの方針の一致だと実感しています」。

B-EN-Gには「お客様と共に熱意をもって最後までやり遂げる」という言葉がある。取材の最後に三谷氏は、B-EN-Gはこの言葉を体現してくれる素晴らしいパートナーだと話す。この信頼関係があればこそ、新たなプロジェクトも必ずや成功を収めるだろう。医療・医薬業界を支える両社の今後に注目したい。













導入企業

 



ネオクリティケア製薬株式会社

創立:1941年4月

資本金:1億円

売上高:3,648百万円(2022年3月期)

従業員:212名(派遣社員を含む)

事業内容:注射剤を主力とする医療用医薬品の製造・販売 、および医療用医薬品の受託製造





パートナー企業

 


ビジネスエンジニアリング株式会社


https://www.b-en-g.co.jp/


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