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・自社プロジェクトだから実現できた導入事例の少ない製品の導入体験
・標準化を目指しつつユーザ満足度も共存させたレポートカスタマイズ
・データ活用の高度化を実現する土台が完成し次のフェーズへ

データ活用の高度化を目指し土台となる基幹システムを
SAP Analytics Cloud+SAP HANA Cloud+S/4HANA Public Cloud Editionで構築
データ活用の土台作りに成功した三井情報の目指すこれからとは

システムから欲しい数値が取得できず進んでいなかったデータ活用

 

三井情報(以下MKI)は、これまで利用していたSAP製品を中心とした基幹システムの保守切れを機に、システムの刷新とデータウェアハウスの再構築を行いました。今回は、自社の事例を皆様への提案に活かすべく、さまざまな工夫を行った、本プロジェクトを紹介します。

これまで利用していた基幹システムは、SAP ERP6.0+SAP Business Warehouse7.5(以下BW7.5)+SAP BusinessObjectsの構成であり、この中でBW7.5の保守期限が近づいていました。また同時にシステムの老朽化対策や業務がバラバラに遂行されている運用上の課題もありました。

特に「データ」に関しては、大きな課題に直面していました。当時IT目線で求められていたのは、データ活用の高度化であり、自由分析やセルフサービスBI、データの可視化やグラフィカルなダッシュボード、予測分析などがありました。これらはマネジメント層が、データドリブンでビジネスの意思決定を行う上で、重要な機能であり情報です。

またユーザ目線では、自身が担当する案件の最新状況を複数システムで得たデータをまとめて出力できるレポートが求められていました。例えば案件ステータスが追えるレポートなどです。また、親会社や監査法人などへの報告資料を速やかに作成するためのサマリーレポートも求められていました。

さらに現場では、システムから出力される数値がそのままでは利用できず、さまざまな場所からデータを取得して集計する等システム外におけるデータ加工などの作業に多くの労力を奪われるという問題もありました。



基幹システムの刷新PJでデータウェアハウスを構築し、データ活用高度化の土台を作る


課題や要望を集めた結果、まずはシステムのデータをそのまま利用できるようにすることにより、システムを活用してもらうことが重要と考え、データウェアハウスの構築を目指しました。

目指すのは「データ活用の高度化」です。この実現には、ユーザからのデータ入力が不可欠で、ユーザがスムースにデータを使える環境の用意が必要です。現状、データドリブンを目的に高度なツールを導入して、ユーザがスムースにデータを扱える環境まで整備できている企業は多くありません。

本プロジェクトでは、システム上の数字を最新の状態で保持し、ユーザがそのまま利用できる数値にすることで、システムを使ってもらえるようにすること、そしてユーザが必要とするデータを、可能な限りリアルタイムで、一覧出力できるようにすることを方針としました。これらを実現することで、本来目指す「データ活用の高度化」という、次のフェーズに進めるのです。

これらを総合して検討した結果、新たな基幹システムはS/4HANA Public Cloud Edition(以下S4HC)を中心に、CRMにSaaSのSalesforce(以下SF)を、データウェアハウスにはSAP HANA Cloudを採用し、データ活用にはSAP Analytics Cloud(以下SAC)を利用する構成としました。

S4HCとCRMシステムの、シームレスな連携実績は少なく、またデータの収集をSAP HANA Cloud上で実現し、SAP Business Technology Platformに含まれるSACで行う分析も、導入事例が少ない中での採用です。

プロジェクトは、まず業務に必要なレポートがどのようなものかを、ユーザからヒアリングし、その中で、新システムにおける業務プロセスで不要となるものを除外。また各レポートのデータソースの整理や、レポートを実装するシステムを選定しました。例えばS4HCのデータだけで完結できるレポートは、S4HC側に実装し、SFとのデータ連携が必要な部分については、業績管理システム側に実装するといった具合です。その上で、業績管理システムのデータベースを設計し、実装に進んでいます。

今回、基本的にFit to Standardで進めましたが、SAP製品に完全に業務を合わせるという、単純な標準化を前提にしてしまうと、ユーザ毎に異なる要件のデータ分析は実現できません。このため、多種多様となる要件をどのようにカスタマイズし、実現するかがポイントとなりました。

こうした背景からレポートに実装した機能をいくつか紹介します。まずMKIでKPIとして利用している受注高・受注残レポートは、S4HC標準のSDでは計算できないため、作り込みを行っています。また1つの案件に関わる、数値や数値以外のさまざまなデータを、SDやMM、PSなどの各モジュールから集め、1つの画面への表示を実現。さらにこれまで手作業で作成していた、過去月の実績と将来月の計画データ、そして未受注案件の情報を組み合わせた着地予想の集計作業についても、システム化を実現しています。

 



 

基幹システム刷新PJで、MKIが実感した苦労とは

 

本プロジェクトは自社プロジェクトであるため、導入製品の他にもさまざまなチャレンジを行っています。その中で、4つの苦労した部分について紹介します。

まず一つ目に、ユーザ要件をロジックに落とし込む作業です。ユーザの頭の中には、細かなデータ加工の仕様がありますが、これを1度のヒアリングで網羅することは叶いません。このため仕様をヒアリングして実装し、本番データを利用した試行を重ねました。これをユーザからOKを貰えるまで繰り返した結果、ユーザ満足度の高い仕様を実現できました。

2つ目に、データ活用において重要なポイントとなる、データのリアルタイム性です。複数のシステムやモジュールから、データをリアルタイムに収集・加工、そして出力まで完結させるのは、システム側だけの対応では難しく、最終的に短いサイクルでバッチを回すことで、ほぼリアルタイムでの連携を実現しています。

3つ目として、パフォーマンスにも問題がありました。HANA Cloudから大量データを抽出し、SACで表示しようとした場合、パフォーマンスが悪く時間がかかるのです。SAP Analysis for Microsoft Officeでは、HANA Cloudとのリアルタイム接続に対応しておらず、現在この点についてSAPに相談しています。

4つ目に、マスタ管理にも苦労した点があります。プロジェクトの属性情報は、項目ごとにメンテナンス部署が異なるため、業務プロセスがバラバラになっていたのです。このため、システム間のデータの流れや、運用プロセスを整理し、対応しています。



データ活用高度化の土台を実現、MKIが得たノウハウの提供を開始

 

こうして構築を進めた新たな基幹システムは、データ活用の高度化における土台として完成しました。まだ稼働から短い期間とはいえシステムの定着化も進んでおり、このままユーザがシステム利用を継続することで、本来の目的である「データ活用の高度化」に進むことができます。

例えば各部門が経営層へ行う報告は、システムから出力される定性的な文字情報のみで行えます。もちろん経営層は、自らシステムの数値を確認し、すぐに経営へ活かすことが可能です。こうしたセルフでのデータ活用は、すべてのユーザも同様に行えます。必要なデータを各自が直接システムにアクセスして参照し、業務や報告に活かせるのです。

この新たな基幹システムは、よりよい経営を実現できる基盤となりました。私たちMKIは、この自社プロジェクトを通じて獲得したノウハウを、全てのSACを必要とする企業に提供したいと考えています。実際に体験したからこそわかる、ユーザ毎に異なるデータの活用方法を網羅し、満足度の高いデータ活用基盤を実現できると自負しているからに他なりません。

MKIは今まさに「データ活用の高度化」に向け歩み始めたといえます。もしデータ活用の高度化を目指しているのであれば、ぜひMKIにご相談ください。

私たちとともに、本当の意味での「データ活用の高度化」を実現しましょう。

パートナー企業

三井情報株式会社

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