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DX、SAPシステムの移行などに必ず付きまとう予算の壁。
経営陣への説明やスムーズな予算承認のためには、どんなアクションが必要なのか?
大手サービス企業のプロジェクトチームのみなさまがお悩み相談にやってきました。

IE次長:特にS/4HANA移行のときはどう工夫されましたか?

JSUG加藤:分散せざるをえないところは、入力ミスが少なくなるようにユーザーインターフェースのところには必要最低限アドオンで上にかぶせています。但し、アドオンはあくまでユーザーインターフェース部分やチェック機能追加のみで、根本的な機能はさわっていません。あと、専門的な知識が必要になる機能、特に固定資産関係とかがいい例ですね。この業務に関してはSAP導入をきっかけにシェアードサービスセンターを立ち上げて、グループ会社の分も本社の方に業務自体を集約する形をとりました。グループ会社も含めてミスをなくす事だけを考えるのでなく、同時に業務を移譲しちゃうことで、支店やグループ会社の業務負担を減らし、もろもろの数字の管理が一か所で実施出来る事で決算業務の効率化にもつながるように、業務プロセスと役割分担自体を見直しましたね。

KD担当部長:そんな方法がありますか。参考になります。今の話だと本社に業務を取り込んだそうですが、外部委託より本社に取り込んだ方がいいと判断した理由はどこにあったんですか?

JSUG加藤:そうですね。別会社化する話もあったんですけれども、最終的にはその作業で利益を取るのは違和感があるねとなった。本社の経理部門そのものとやはり密に連携しないといけない内容や数字も多かったし何よりミスを減らしたかった。とはいえ全ての伝票基調を代行するのではありません。固定資産とか専門性・重要性の高い業務を預かって、統制上必要なお取引先のマスタ管理を集約する事で管理面の強化をしたいと考えた面もありました。だから別会社化するより本社で全て管理していこうと決定しました。

JSUG福嶌:補足すると、弊社の経理は一般的な経理よりも複雑でカバーする業務の幅が広いんです。伝票のエントリー業務だけみたいな状態じゃないので、外注化が難しかったのもあります。

IE次長:ありがとうございます。参考にさせていただきます。







KT係長:大和ハウス工業さんはS/4HANAへ移行はストレートコンバージョンだったそうですが、何を判断材料にして決断されたのですか?

JSUG加藤:完全なグリーンフィールドをするつもりは最初からなかったですね。SAP導入時は本当に苦労してあのエネルギーとコストを同じようにかけて、現場を混乱させることはしたくなかったですから。そうすると2027年まで持ちこたえさせる選択肢もでてきます。しかしECCは機能が全然リリースされなくなる。リミットまで引っ張るとリスクもコストも高くなりそうだなと。議論するなかで、数年後にSAPとの契約を止めるってあり得るのか想像して経理とも話をしてみましたが、それはありえない。じゃあSAPを使い続けるのであれば早めにS/4HANAにしたほうがメリット大きいなとなったんです。さらにもう1つ、一番決定的な後押しになった部分があります。実はECCを動かしていたORACLEのバージョンの保守期限の問題やサーバーがリプレースの時期に来ていたんです。これにお金かけるぐらいだったらS/4HANA移行の資金に回して、スピーディーに移行して、安定させてから気になっているところに業務改革の手を入れる。順番逆でもいけるじゃないかという判断になりましたね。

KT係長:ハード面の要因とか結構影響がありますよね。

JSUG福嶌:予算を通す一番の理由にさせてもらいましたね。ハードのバージョンアップの時期で買い代えが必要とか、上手い理由をつけてどう予算をとるか大事ですよね。

JSUG加藤:結果的にS/4HANAにするタイミングで私たちはSAP HEC(HANA Enterprise Cloud)の採用もさせていただいて、ハード管理の業務も全部手放してしまいました。

KT係長:それまではオンプレだったんですか?

JSUG加藤:クラウドを使っていましたが、プライベートクラウドなので半オンプレといった感じですね。だから、今後のクラウドによる管理強化とかも予算審査の謳い文句にしましたね。このタイミングで余分なお金を掛けるぐらいなら早めに一緒にやるのがベストだという流れをつくりました。

JSUG福嶌:しかも、我々はデータがどんどん膨らんできて、容量がいっぱいだったんです。次へグループ展開はできないという状況にまで陥っていた。S/4HANAに変えるとデータ量も4分の1ぐらいになって向こう10年は大丈夫になる試算なので、いろいろなことが一気に解決しましたね。もちろんユーザー部門には、こちらの都合のことは言っていないですけどね(笑)。






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