2021年導入事例

SOLIZE 株式会社(導入:株式会社シグマクシス)

知恵とチームワークを力に
Fit to Standardを全員で徹底
デジタル基盤構築プロジェクト

21年7月、S/4HANA導入をノンカスタマイズで完遂したSOLIZE社。9か月という短期間で、国内3法人の統合直後の業務を標準化するという難題に取り組んだ。複雑な業務をシステムに合わせ切った、同社の成功の鍵を紐解く。



導入前の課題

・事業部ごとに異なるオペレーション、業務の属人化

・システム間に残るアナログ業務による非効率

・デジタル化により経営判断を迅速化する必要性


導入後のメリット

・統一され持続性のある標準ビジネスプロセス

・ビジネストランスフォーメーションに向けたデジタル基盤の構築

・SaaS 採用で進化するデジタル技術をすぐに享受可能



🔶SOLIZEの未来への第一歩、S/4 HANA Cloud導入プロジェクト


1990年の設立以来、製品開発の領域で、デジタルものづくり技術を牽引してきたSOLIZE。デジタルデータ・技術ともに駆使して価値を生み出してきた企業として、デジタル・トランスフォーメーション(DX) 推進への意識は高く、業界を先行しての実現を目指し、全社にわたる取り組みを開始している。

そうした中、S/4HANA Cloudの導入は同社にとって、「組織運営、働き方を支えるデジタル基盤の構築」であったという。基幹業務・システムを、単なる刷新ではなく未来のSOLIZEを支える戦略として描き実現した同社執行役員の堤 皓朗氏、プロジェクト現場をリードしたグループ経営戦略部Senior Manager の小黒 由美子氏に聞く。


SOLIZE 株式会社

執行役員

経営戦略・IT 戦略担当

堤 皓朗氏


 

🔶基幹業務・システムの標準化はDXを進めるうえで必達の与件


SOLIZEの中長期戦略において、デジタル基盤の構築は「マーケティング」「事業」「組織運営と働き方」の3つの領域で行われている。

中でも「組織運営と働き方」、つまり基幹業務のデジタル化や自動化、これによるモバイルやオフィス、働き方の進化は最も先行すべき取り組みとされ、20年9月にS/4HANA Cloudの導入を開始した。


「DX の前提となるデジタル活用のために、まず業務プロセスを標準化しオペレーションを統一することが不可欠だという判断でした」と話すのは、プロジェクトオーナーとして全体を統括した堤氏。というのも、同社は21年1月に別法人であった国内子会社2社を統合予定だったが、業務プロセス、オペレーションは事業部ごとに異なり属人化も散見されていた。

そこでシステム選定でも、標準化を最重視。「ただしその成果はシステム導入時点が最高ではなく、継続的に改善していくものであるべき。事業環境の変化に柔軟に対応できるようクラウドネイティブであることにもこだわり、慎重に検討しました」(堤氏)。



SOLIZE 株式会社

グループ経営戦略部

Senior Manager

小黒 由美子氏


 

🔶ゴールの理解で成り立つFit to Standardとノンカスタマイズ


こうして始まったプロジェクトにおいて堤氏が掲げたのは、「既存の業務にとらわれず、徹底してシステムに“Fit”させる」という方針だった。「もちろん、現業とのギャップはどうしてもありますが、そこで業務に合わせるという考えは一切持ちませんでした。なぜなら私たちの取り組みはERPの導入ではなく、未来のSOLIZEのデジタル基盤、つまり競争力の基盤を創る活動だからです」と、堤氏。ギャップのある業務であってもカスタマイズは一切行わず、SAPの他の機能で実現する。あるいはRPA等を活用するなどSAPの外側で解決してアドオンは最小限にとどめる。これらのポリシーを貫き、業務をシステムに合わせ切った。


「そのためには、プロジェクトメンバー一人ひとりがこの方針を理解し遵守することが欠かせませんでした」と振り返るのは本プロジェクトの現場をリードした小黒氏。そこで小黒氏は、毎週の進捗会議の場で必ず、このプロジェクト方針を声に出し伝えた。このプロジェクトはどのような未来に向かっているのか、ノンカスタマイズとはどういうことかを丁寧に説明し続けたのだ。メンバーに指示を与えるのではなく、メンバー一人ひとりが経営の考えを理解し、同じ方向を向く行動をとる。この積み重ねが、Fit to Standard徹底を実現させた。




 

🔶難題を乗り切るために社内外の力を最大限に活用


難度の高いプロジェクトの遂行において、堤氏が重視したのはほかにもある。それは、チームの力を活かすことだった。「体制をつくる際には、業務現場のエース級をアサインしました。これはプロジェクトの進行をスムーズにするだけでない。業務とのギャップをどう埋めるかという解決案を導き出せるのは、その現場を熟知しているメンバーだからこそ。社員の知恵がなくては、乗り切れないシーンは幾度もありました」と堤氏は振り返る。


加えて、社外のプロフェッショナルの力も活用した。パートナーとなったのは、シグマクシス。S/4HANA Cloudの導入経験を豊富に持つだけでなく多様な業界の業務知見にも深い同社は、プロジェクトの当初から様々な提案を始めた。「SAPとはそういうものだ、というような頭ごなしに説明するのではなく、私たちの業務を理解した上で多くの提案をして頂きました。導入経験のない私たちにとっては疑問だらけの取り組みでしたが、彼らが目線を私たちに合わせてくれたのもわかりやすかったです。常に寄り添ってくれているという安心感がありました」と、小黒氏は話す。「顧客に寄り添い、やり抜く」というシグマクシスのスタイルもまた、本プロジェクトの一助となった。


 

🔶ERP導入はDXへの第一歩、全社一丸で新価値創出の変革へ


こうして導入を成功裏に終えたSOLIZEだが、堤氏は「DXという意味では、まだスタートラインにも立っていない」と話す。だが、導入を通じて見えてきたことも多い。「基幹業務プロセスの統一により、その上流・下流プロセスにある部門間の違いがあることなどが顕在化しました。新たな課題を把握し次なる進化に向けての取り組みとして、着手しています」(堤氏)と、構築したデジタル基盤を活用しながら全社的な変革へと進もうとしている。また小黒氏は「プロジェクトチーム全員が目的に向かい、遠慮なく議論し続けたことで、社員の目線が上がることに繋がりました」と、次なるチャレンジへと繋がる学びを語った。