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2021年導入事例

宇部興産株式会社(導入:ビジネスエンジニアリング株式会社)

SAP Ariba導入による業務改革
都度見積の削減を加速し
生産性向上に更に貢献

2000年以降、BtoB向けのECサイトと多数連携しながら購入商材を増やしていった宇部興産。一方で、横串で価格を比較検討、商品検索、ID管理などが煩雑に。そこでSAP Aribaへ調達機能を集約し、業務の合理化と最適化を図ることを決断しました。



導入前の課題

・サプライヤーごとの商流は様々、同じ品でも値段が異なり比較検討に時間を要す等、複数のECサイトをつないだ弊害が発生

・UBEグループには購買統制が効いていない小規模な会社も存在


導入後のメリット

・シンプルな業務ルールへの移行

・サイト間横断検索が可能、ID管理の簡素化、承認のスピードアップ

・基幹システムSAPとの相性、今後のSAP S/4HANAへのバージョンアップを考慮



🔶ネット購買による購買業務の効率化の成功、その一方で起きた弊害


宇部興産株式会社は、1897年の創業以来、企業の発展と地域の繁栄を一体のものとして創業者が考えた「共存同栄」の精神を受け継ぎつつ、機械、セメント、化学へと事業を拡大し、グローバルな市場で活躍する企業である。この発展を陰で支えてきたのが購買部門である。「共存同栄」の精神に基づき、地元のサプライヤーとのつながりを絶たずに、間接財の購買改革を長年にわたり実現してきた。その中の一つがネット購買システムの採用による都度見積の削減による購買業務の生産性向上である。


2000年のSAP ERP導入をきっかけに、間接材調達システムを導入してインターネット発注を開始。その後、BtoB向けのECサイトと多数連携しながら、購入できる商材を増やしていった。ところが、商品数が増えると価格をコントロールすることが困難になり、さまざまなEC サイトをつないだ弊害も出てきた。


そうしたことから、2000年以降、自ら購買業務改革を進めてきた購買部第一グループ主席の藤本秀夫 氏は、利用していた間接材調達システムの開発元に、商品検索、操作性の向上(サイト間横断検索機能)、ID管理の簡素化などを提言したが、対応が難しいとの回答が返ってきた。他のシステムも検討したが、要求仕様を満足する仕組みと出会えず、また、実現できたとしても導入費用が高額で手が出せない状態であった。


2018年、SAP社主催のセミナー参加をきっかけにSAP Aribaのプレゼンを受け、望む機能が実現できるとしてSAP Aribaへ調達機能を集約し、業務の合理化と最適化を図ることを決断した。


また、パートナーには複数社の中から、SAP Aribaの導入実績豊富なビジネスエンジニアリング(B-EN-G)を選定した。また、基幹システムとの連携部分については、グループ会社の宇部情報システムに業務委託した。


SAP Ariba導入そのものは3カ月で完了、2021年上期に自社内の完全移行完了、2021年度内に対象グループ会社の完全移行を完了する。


購買部第一グループ

主席

藤本 秀夫氏


 

🔶SAP Aribaを採用、念願だったサイト間横断検索が可能に


対象品目は、既存の調達システムで行っていたインターネット発注品と、基幹システム(SAP ERP)と地元の販売代理店経由の単価契約品、都度見積で個別発注していた見積品の3種類に設定。合わせてAmazonの法人向けECサイト(Amazon Business)を導入することで商材を増やし、年間約6万件ある都度見積品の削減を目指した。


小額購買全体をSAP Aribaへ集約することにより、既存システムから機能低下させず、複数システムへのログインの煩わしさからの解放や商品検索性の向上を実現。

「数値的効果については、システム切り替え時間の短縮や商品検索時間の短縮、ネットID申請を主とした管理業務時間の削減などで少なく見積もっても約年間6000時間以上の業務時間の削減が見込まれ、また、購入単価もカタログ品、小額品ともに数%の削減を見込んでいる」と藤本氏は語る。


なお、SAP Aribaには、地元販売代理店から購入する自社独自のローカルカタログも包含。「共存同栄」ということもあるが、実際、価格の面においてもローカルカタログの品目はほかのネット購買サプライヤーより有利な条件で取引できているためそのまま継続する。


2000年から取り組んできた間接財購買の業務改革は、ネット購買を増やすことによって小額都度見積品を減らし、1件づつ見積を取り交渉して発注するという手間を削減するものである。上図のようにSAP Aribaへの集約で、2022年度には20%以下まで削減できる見込みである。





 

🔶小規模グループ企業にも承認ワークフローを導入


SAP Aribaは約20社のグループ会社にて利用予定である。藤本氏は「小規模の会社には、申請、承認といったルールが紙承認や事後の承認などで購買、請求、支払の行為がなされていたケースも見受けられました。そういった会社でもSAP Ariba導入により、購買から請求までのステップに承認ワークフローを取り入れ牽制をかけることができます。今後UBEグループとしてより発展していくために、内部統制上、非常に重要であると考えています。」と述べる。


 

🔶「現状維持は移管メリット無し」承認業務等を見直し改革を実施


今回の導入ではSAP Aribaの標準機能に業務を合わせる方針をとった。しかし、承認ワークフローの簡素化、承認者の絞り込みに関しては一部批判的な声も上がったという。藤本氏は「業務改革というのは今の仕事のやり方を変えなくてはならないのでやりたくない人がほとんどだと思います。そこを変えていかなければならないのでメリットをよく説明することが必要です」と熱意を持って粘り強く取り組んでいくことの重要性を語る。実際、社内説明のほか、操作教育やヘルプデスクの充実も図っている。


 

🔶SAP S/4HANA との親和性に期待、SAP Aribaを全社支出の要に


システム導入前と導入完了した現在では、SAP Aribaへの評価は変わったかという質問に対し、藤本氏は「シンプルな業務ルールへ移行できることへの期待値は変わりません。また、複数のネット購買利用で工数がかかっていた予算や商品検索がSAP Aribaでは横串ですぐに見ることができること、承認ルートが設定できること、出荷データを受信できることは、購買担当者として期待している部分です。」と答える。


さらに「弊社では2025年ごろ、基幹システムをSAP S/4HANAに切り替える予定です。それに伴いSAP Aribaの活用範囲を拡げ、また、今、都度見積もりで残している請負工事や高額資材品も含めてSAP Aribaで扱う範囲としたいですね。その先、原材料(直接材)や経費等の取り込みも考えられます。」と、全社支出の要としてSAP Aribaの将来性に期待を寄せている。




<< 会社概要 >>

宇部興産株式会社

創業:1897年6月

設立:1942年3月

資本金:584億円(2021年3月末現在)

従業員数:10,897人(2021年3月末現在 連結)



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