2020年 導入事例

株式会社日立ハイテク(導入:日本マイクロソフト株式会社)

抜本的な業務革新
プロジェクトに不可欠
クラウドサービス Microsoft Azure

日立ハイテクではDXにおいて、全ての業務プロセスを変える、大きな業務改革を行っている。これまでオンプレミスで運用していたSAPのクラウド化や、SAPアドオンの廃止などが不可欠だという「革新」を紹介する。


🔸導入前の課題

  • オンプレミスのサーバー運用保守が高コスト。働き方改革にも対応できず


🔸導入後のメリット

  • クラウド化により運用保守のコスト削減に成功

  • 働き方改革を含む業務改革の足がかりに

🔸デジタル戦略によって進むクラウド化 9,000アドオンをゼロにする業務革新

デジタル戦略によるワークプレイスのデジタル化はすでに進んでいる。まず、オンプレミスで運用していたストレージは、クラウドサービス「Box」への移行が進み、2020 年初頭で87% に達した。
 ソフトウェアでは、Microsoft Office 365 の導入が100% を達成。達成したのは、新型コロナウイルスによって働き方を大きく変えざるを得なくなる1カ月前だったといい、その後の在宅勤務に大きく貢献できたという。
 今後は、グローバルでの文書共有の効率化や、クラウドアプリ間でのBox API を活用した連携、Office 365 の活用によるエンドポイントのDX化などが予定されている。
 また、業務改革への取り組みも進行している。日立ハイテクでは、これを単なるIT のプロジェクトではなく、次の10年に向けた「業務革新」と位置づけ、「DX-Pro =業務革新プロジェクト」と呼んでいる。これまでのIT 戦略では、コスト削減や効率化という点にとどまっていたが、「業務革新プロジェクト」では、ビジネススピードの向上や業容拡大、働き方改革の推進といった、大きな目標を掲げているのが特徴だ。
 この目標への道のりは平坦なものではない。例えば「F2S」では、会社設立当初から残る業務プロセスやシステムを、大きく変えることが難しかったからだ。しかし業務プロセスをゼロベースから改めるため、お客さまに対して何をすべきかを念頭に、規則や基準、組織から大きく変え、これを進めている。
 「F2S によって効率性は一時的に悪化する懸念もあるが、プロセスの見直しと新機能の活用こそが実現のカギになるだろう」と、デジタル推進本部の酒井氏は語る。
 「F2S」では、SAPの標準機能だけを利用することも目標だが、SAP ERPでは9,000 にも及ぶアドオンがあったという。まずはこれをゼロにすることが目標で、新たなアドオンを導入する場合は役員決裁が必要だというのだから、目標達成への本気度が伺える。

株式会社日立ハイテク(導入:日本マイクロソフト株式会社)

株式会社日立ハイテク
設立:1947年4月12日

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🔸デジタル技術で業務プロセスの改善や働き方改革、ビジネススピード向上を目指す

日立ハイテクでは、従来から取り組んできた「IT 戦略」を「デジタル戦略」と名を変え、大きなプロジェクトに挑んでいる。これはこれまでの「IT 活用」という視野をさらに広げ、デジタルをビジネスに活用する戦略に進んだ結果だ。まず、このデジタル戦略で立てられた4つの指針を紹介しよう。
1つはグローバル企業としての競争力を向上させるため、世界標準のシステムを利用する「Global Standard System」次に、システムのカスタマイズを減らし現場業務をシステム標準に合わせる「Fit to Standard」。システムの運用管理コスト削減などを狙う「Cloud First」。そして昨今の働き方改革に合わせ、いつでもどこでも安全に仕事を可能とする「Mobile First」だ。
これらを実現するため、基幹システムの刷新を決定した。まず変化の少ないシステムを「Global Standard System」に置き換えることだ。そしてSAP ERP上に多数導入していたアドオンを廃止し、標準機能だけで業務を行う「Fit to Standard(以下F2S)」を実現する。また刻々と変化する可能性のあるシステムは、その都度、最適なクラウドサービスを利用して機敏に対応するという。

株式会社日立ハイテク(導入:日本マイクロソフト株式会社)

酒井 卓哉氏
株式会社日立ハイテク
理事 デジタル推進本部本部長

🔸なぜクラウド化が必須なのか? クラウド化で実現した攻めのIT 投資

それではなぜ、業務革新プロジェクトにクラウド化が必要なのだろうか。これは、先に述べたグローバル標準のシステムを利用する「Global Standard System」と、システム標準機能に合わせる「F2S」において、クラウドサービスを使うことがもっとも有効な方法だからだ。
クラウドサービスであれば、常に最新のシステムが利用でき、セキュリティを保つことに直結する。システムメンテナンスにかかるコストも下げることが可能で、さらに柔軟な拡張性をもっていることもポイントだ。だからこそのクラウド化であり「Cloud First」なのである。
基幹システムのクラウド化では、グローバル性と安定性、そしてSAP 社との連携を重要視した結果「Microsoft Azure」を選定した。多くのSAP製品とのコネクティビティが標準で準備されていることも、選定理由のひとつだという。
Microsoft Azureの採用によって、経営スピードも向上したという。これまでオンプレミスで稼働していた事業別・会社別の複数のERP を、S/4HANA Cloud で再編した。本社・工場・国内グループ会社向けにはMicrosoft Azureを基盤とするフルスコープの自社専用テナント、海外販社向けにはシンプルなSaaSモデル提供テナントを用いてこれらを有機的に接続し、リアルタイムに経営状況を把握することが実現したのだ。
また、オンプレミスではデータセンターや保守運用といったコストが大きかったが、Microsoft Azure に置き換えたところ、新たに発生したクラウドの利用料を含めても大きく削減できたという。
一方で予期しない大きなコストも発生した。それはネットワークやセキュリティ対策に関するものだ。特に、働き方改革により自宅などから通信することが多くなったことと、セキュリティ対策を十分に行う必要があったためである。しかし、こうしたコストを加えても大きく削減に成功。その分、新技術や人材育成などといった「攻めのIT投資」ができた。


🔸今後も進む日立ハイテクの業務改革 Microsoft とSAP との強固な連携に期待


今後は段階的に、周辺システムもクラウドサービスに移行する予定だ。設計や製造といった、クラウドに置くことが難しかったものも、コロナ禍による在宅勤務などを鑑み、クラウド化することを検討中だ。さらなる効率化を進めるため、RPAやRBAを駆使した自動化や、マルチクラウド監視、24H365D のグローバルな運用体制の整備などを行う予定だ。
今後の業務革新プロジェクトにおいて、日立ハイテクはMicrosoft に大きな期待を寄せているという。それはMicrosoft とSAP のさらなる連携強化だ。「Microsoft とSAP はどちらもグローバルに展開する企業です。今以上の連携を期待しています。ワンストップを実現できるような、より強固な関係になっていってほしいです」と、酒井氏は語ってくれた。
今後も進む日立ハイテクの業務革新プロジェクトは、Microsoft とSAP との強固な連携により、さらなる加速が期待できるだろう。

会社概要

株式会社日立ハイテク

設立:1947年4月12日
資本金:7,938,480,525円(2020年3月31日現在)
従業員数:連結11,903名、単独4,307名(2020年3月31日現在)
事業分野:ナノテクノロジー・ソリューション、アナリティカル・ソリューション、インダストリアル・ソリューション

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🔸パートナー企業

日本マイクロソフト株式会社