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・日本企業のDXをさらに推進するため戦略的パートナーシップを締結
・SAP ERPを新規導入する場合、半数以上の企業がSAP S/4HANA® Cloud Public Editionを選択
・加速する技術の進歩やトレンドの変化に柔軟に対応していく

パブリッククラウドや
Fit to Standardの定着に向けて
日本企業に必要な変化とは?

2023年12月に国内唯一となる「GROW with SAP※」戦略的パートナーシップを締結したSAPジャパンと伊藤忠テクノソリューションズ。SAPジャパン株式会社の稲垣利明氏と、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の重藤倫氏に、現在のSAP® ERP導入のトレンドやパートナーシップ締結による狙いを聞いた。

※GROW with SAP:中堅中小企業が抱える業界固有の課題に対応し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための新しいクラウドオファリング


昨年はSAP ERP新規導入の半数以上がSAP S/4HANA Cloud Public Editionを採用


––––SAP ERPの導入に関して、近年どのようなトレンドがありますでしょうか?


稲垣:SAP社のクラウドERPにはSAP S/4HANA® Cloud Private Edition(プライベートクラウド版)とSAP S/4HANA Cloud Public Edition(パブリッククラウド版)がラインナップされていますが、新規でSAP ERPをご導入いただいたお客様の件数ベースでは、2023年は初めてお客様の半分以上がSAP S/4HANA Cloud Public Editionを採用するという衝撃的な年になりました。この傾向からもわかるのですが、今はSAP ERPをカスタマイズするのではなく、シンプルに使っていく文化に変わりつつある。「現在の業務にフィットしているのか、いないのか」ではなく、将来的なビジネスの変化を見据えたうえで、対応力を意識して導入されるお客様が増えていると思います。

 











SAPジャパン株式会社

バイスプレジデント

Enterprise Cloud事業統括

兼 自動車産業統括本部長

稲垣 利明

 

 

––––特にグローバルでの導入に関して、何か変化が起きていますでしょうか?

 

稲垣:ワールドワイドで見ると、導入期間が圧倒的に短くなっているなと。もちろん企業規模にもよりますが、従来のSAP ERPといえば、それこそ2〜3年かけて導入し、5年かけてグローバル・ロールアウトしていくケースもよく見られました。でも、現在は概ね1年以内くらいのプロジェクト期間で導入を進めている企業が増えています。その意味で現在もっともアグレッシブなのはインドで、昨年は3桁を超える新規導入の平均プロジェクト期間が「2ヶ月」。もちろん歴史や規模が異なるので日本企業と安易な比較はできないのですが、事実としてそういうデータが出ています。

 

重藤:背景が異なるとはいえ、やはりシステム導入に対する考え方自体が、日本企業とは少し違うのかもしれませんね。たとえばパソコンを購入するときに、いきなり「どう自分に合うように改造しようか?」と考える人はまずいません。スタート時点でビジネス最大化も見据えて「このシステムをどううまく利用しようか?」という意識があるかないか。その差が結果として現れているのではないかと思います。

 

––––日本企業にFit to Standardの考え方を定着化させるために、どの様な戦略を掲げていますでしょうか?


重藤:弊社は2022年10月にSAP S/4HANA Cloud Public Editionへの参入を決めました。背景としては、昨今「25年の崖」が叫ばれ、さまざまな事業でシステムのあり方を考え直す動きが見られます。デジタルとビジネスがほとんど一体になって変化していく状況を考えると、今後は、常に最新のIT技術を取り込み、進化していくパブリッククラウド以外の選択肢はないだろう、と。既にSAP ERPを導入している大企業が変化を迎えるにはまだ時間がかかりそうな一方で、パブリッククラウドを選択する方々も確実に増えています。弊社としてはFit to Standardに挑戦する先進的な大企業の取り組みにしっかりと対応しつつ、同時に中堅企業への新規導入を推し進める戦略を採用しています。

 

稲垣:パブリッククラウドをスタンダードにするには、ITプロジェクト自体のあり方が変わらなければならないな、と感じています。日本にはディテールにこだわる企業文化があり、それによって品質が向上し、“ジャパニーズブランド”という信頼性を得てきました。一方で、昨今は基幹システムのあり方が見直され、技術的なブレイクスルーも非常に速く起こるようになっています。さらに、国内だけではなく、海外企業とも競争しなければならない。そういった激しい変化が起こるなかで、果たして今までの考え方や手法でよいのか、と。「本当にこだわる価値があるかどうか」といった取捨選択の必要性があるのではないかと思っています。

 

重藤:たしかに企業としては、こだわる部分とそうではない部分を線引きせざるをえない状況になっています。いろいろな業界からライバルが出てくるので、効率的で俊敏に経営していかなければならない。その点SAP S/4HANA Cloud Public Editionが優れているのは、コアクリーンを保ったまま開発できる環境として、実現機能の特性にあわせた複数の選択肢があるところだと思います。企業としてはパワーを落とすわけにはいかないので、取捨選択したうえでもこだわりたい部分をシームレスに素早く作れるというのは素晴らしいですよね。

 

稲垣:SAP ERPがクラウド化され、シンプルに使えるようになっても、やはり標準化できない部分が残ってしまうケースがあります。でも、その部分にこそ、お客様の強みや他企業との差別化につながるポイントがあると思うのです。実現不可能な部分を切り捨てるのではなく、SAP® BTP(Business Technology Platform)で機能としてシームレスに連携させることで、SAP ERP自体はクリーンな状態に保ちつつ、アップグレードやメンテナビリティも担保できるようになった。競争力の源泉となる部分が削ぎ落とされては本末転倒ですので、この部分にフォーカスして、しっかりと推進していかなければならないと思っています。

 

重藤:まさにそれが伴走型支援サービス「Figues」のコンセプトで、弊社としても注力して取り組んでいきたい部分です。加えて、従来の弊社の顧客は、規模でいうと売上5000億円以上の大企業がほとんどですが、いま目指しているのは中堅企業への新規導入です。そこに対して我々が何を訴求できるのかというと、やはり「スピード」。いかに短期間で導入できるかを売り物として、ターゲットを明確にしながら、導入数を増やしていきたいと思っております。

 












伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

執行役員

リテール&サービス事業グループ

リテール&サービスビジネス企画本部長

重藤 倫

 


戦略的パートナーシップ締結で日本企業のDXをさらに推進


––––昨年末にSAP社とCTCの間で国内唯一となる「GROW with SAP」戦略的パートナーシップが締結されました。これに至った経緯を教えてください。

 

稲垣:弊社としては、既存のオンプレミスやプライベートクラウドではなく、“新たな取り組み”として一緒に手を取り合えるパートナー様とやっていきたいという思いが強くありました。もちろんCTCさんは元々SAP社のパートナーでしたが、ほかとは少し異質なものを感じていて。たとえば、CTCさんはスクラッチ開発でのプロジェクト完遂力に定評がありますし、SAP S/4HANA Cloud Public Editionの導入に必要不可欠なSAP BTPに対して多く知見がある。過去の実績やタイミングもありますが、そういった部分が新しい取り組みのパートナーとして非常に魅力的に映ったので、お声がけさせていただきました。

 

重藤:ありがとうございます。「必ずプロジェクトを完遂する」というのは弊社の企業文化として確実にありますので、そう言っていただけて大変うれしいです。弊社が展開するSAPビジネスは歴史が深い一方で、そのほとんどがグループ内での導入でした。「特定のお客様に深く向き合い、お客様の求めるものをSAPソリューションでどうやって実現するか」に注力していました。弊社にとって広く世の中のお客様の基幹システムに打って出ることは、これまで到達できていないフロンティアのようなものです。「DX時代の基幹システムをどうするか?」「日本の基幹システムを変えるにはどうすればよいか?」「やはりパブリッククラウドしかないだろう」と考えた結果生まれたのがFiguesで、その方向性がSAP社の目指しているところとマッチしたのかなと思います。

 

–––今回の戦略的パートナーシップによって、今後どのような展開が期待されますか?

 

稲垣:まずはCTCさんと協力して、GROW with SAPを導入する新規のお客様をとにかく量産したいと思っています。そしてそこにはFit to Standardの実現が必須になりますが、取り組んでいくうちにさまざまな問題が起こるでしょう。その部分をCTCさんが持つプロジェクト完遂力と技術力で乗り越え、単純にGROW with SAPを導入するのではなく、Figuesとしてお客様のバリューを共に創り上げていく。そういったモメンタムを一緒に作っていけたらと思っています。

 

重藤:スタンダードの部分は素早く、最適に。更に作り込みが必要な部分に関しても、各社が独自と思っているものでも効率的に実現できるテンプレートのようなものが出来てくると思います。知見を溜めるという意味でも、とにかく多くの案件を積み重ねたいと思っています。

 


※SAP、SAPロゴ、記載されているすべてのSAP製品及びサービス名はドイツおよびその他の国におけるSAP SE(又はSAPの関連会社)の商標もしくは登録商標です。

※記載されたその他すべての製品およびサービス名は、それぞれの企業の商標です。

パートナー企業

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

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