導入事例 「株式会社アークス」

株式会社アークス
国内スーパーマーケット業界での
グループ全社基幹システム統合PJ
移行後こそが本当のスタート

北海道、北東北を中心にスーパーマーケット345 店舗を展開するアークスは、売上高1 兆円を達成するため4つに分れていた基幹システムをSAP S/4HANA で統合するPJ を実施したという。アクセンチュアと共に行なった困難なトランスフォーメーションPJ について話を聞いた。

 導入前の課題
  • グループで4つの独自基幹システムが運用されており、
    情報の粒度が異なるためグループ企業間の情報分析が困難
 導入後のメリット
  • 情報の粒度が揃い各社各店舗で共通のモノサシを得る。売上高1 兆円に
    向け、情報分析を含めたDX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤が完成

売上高1 兆円を目指し8 社の基幹システム統合を決断

井上 浩一氏

井上 浩一氏
株式会社アークス
取締役執行役員

株式会社アークスは、北海道と北東北に拠点を置く、食品SM( スーパーマーケット)8 社を中心としたグループで、その店舗数は2020 年2 月時点で345店舗を数える。グループが出来たのはおよそ20 年前、北海道の食品SM 企業が経営統合したのが始まりで、現在では北海道6 社、北東北2 社で地域に根ざした食品SM 事業を展開している。

    

経営理念は「八ヶ岳連峰経営」で親会社がトップダウンで経営を行う、いわゆる「富士山型」ではなく、それぞれが特色ある経営を行うというものだ。八ヶ岳連峰が複数の特徴ある山々によって形成され、ひとつの形、すなわち連峰をなしていることからこう呼ばれる経営スタイルである。特に食品SM は地域、店舗によって顧客のニーズは大きく異なることと、さらに画一化しないことで店舗の特色を活かし競争力に繋がるなど、優れた点が多い。

こうした中グループ全体の基幹システムは北海道と北東北2 社で4つのシステムに分れていたという。多くの店舗への影響はもちろん、運送業者や倉庫業者、取引先などとのシステムを連携する企業も多く、システム統合は当然、難題であった。

井上氏はこれについて「売上高1 兆円を目指すためには情報の活用が重要です。しかし4つのシステムに分かれていることで、情報の粒度も違うため分析に活かすことは難しい状態でした。そこでまず基本的な業務を揃え(標準化)、2016 年春にシステムを統合しようと決定しました。しかし統合といっても各社の考えや各地域のニーズ、業務があるため非常に難しいものでした」と語る。

二人三脚で進んだ移行作業。困難を克服しついに完了へ

SAP システムで基盤を作るには費用と時間が掛かり、アドオンが増えればそれだけコストは増える、アークスとして統合システムに掛けられる費用は当然限られている。こうした中「必要な業務の標準化を進めつつ、小さく始めて大きく育てる」と、提案したのがアクセンチュアだ。業務のトランスフォーメーションを同時に進めるという提案がアークスの心に響いたという。こうしてSAP の導入事例が少ない日本の食品SM 業界における難しいプロジェクトは、アクセンチュアと手を組み開始された。2016 年10 月のことだ。

まず基幹システムにSAP システムを採用し、インフラにはSAP HANA Enterprise Cloud(HEC)を選択。業務機能のモジュールにはSAP Customer Activity Repository、SAP Retail、SAP S/4 HANA そしてSAP BW、SAPBO を採用している。

導入プロジェクトは8 社同時に進められ、途中、SAP システムの標準機能だけでは賄えない業務機能や、運送/倉庫業者、取引先とのシステム連携など数々の困難と向き合い、開始から3 年を経た2019 年10 月に本番稼動を迎えた。

情報システム部門のないグループ会社もあり、少数精鋭でプロジェクトを立ち上げ、業務領域別の分科会を作り、都度方向性を確認しながら検討を行い、トランスフォーメーションとともに進めたという。また各社の業務をグループ全社で標準化する新業務の定義では、各社の平均をとるのではなく個性のある店をつくり、後方業務は標準化をすること等を各社と充分な検討をした。その結果、食品SM 業界で必要な新業務の設計ができた。この新業務やSAP のオペレーションの説明にも苦労があったという。各社への説明は各社のトレーニングリーダーから現場に説明してもらい、アクセンチュアからの資料等を使い、現場への落とし込みを推進していったとのことだ。

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共通の" モノサシ" は大きな武器。システムが動いた今がスタート

新システムについて井上氏は「もともと各社の旧システムは独自に開発した" いたれりつくせり" であったこともあり、新システムが本番稼動した後は業務の標準化に伴い、旧システムであった機能がなくなったため、一部で戸惑いの声がありました。」

一方でこうも語っている「システムを作りながらアクセンチュアと行なったトランスフォーメーションは効果があったと言えます。新しい基幹システムも動きはじめ、いよいよこれから本格的に売上高1 兆円に向けた改革のスタートができると思っています」。

稼働当初はトラブルも発生したというが、アクセンチュアと共に対応した結果、パフォーマンスも向上、特に重要な発注処理も順調に行えるようになったという。

「取引先から稼働当初は業務を混乱させたことへの苦言もありましたが、アクセンチュアと真摯に対応した結果、" 動き出しましたね! " と言っていただけるまでになりました。」と井上氏は語る。

新システムにより大きく強力な武器を手にし、アークスが目指すものを実現していくという。この武器の一つが「モノサシ」だ。各社、全店で同じ粒度の情報が得られることで、" 共通のモノサシ" が手に入ったのである。また2019 年9 月、アークスグループに新たな1社が加わった。上述した食品SM に必要な業務標準とシステムがあるので、比較的容易に新会社を追加することができ、グループ力をあげ効果をだしていける。今後アクセンチュアとともに分析やデータ活用を進め、売上高1兆円に向けた挑戦は加速していくことだろう。

最後に、井上氏にこれからDX に挑戦する企業に向けてアドバイスをお願いしたところ、次のような言葉を頂戴した。「私達は今、スタートラインに立ったところです。今回のSAP を使ったシステム統合によって業務改革というチャンスを頂いた。これをものにして業務効果をだしていきたいと考えています。今は新型コロナウィルスという問題もあるが、これまでの震災や消費増税などの大きな問題を乗り越えてきた自負があり乗り越えられる。このDX 基盤を使い、業務効果をだした後に改めてアドバイスをしたいと思います」。アークスのDX が始まり取り組みを続けて、これからも一歩一歩確実に前に進んでいくことだろう。

「業務効果をだした業務フローをアークスグループの各社に展開し、多様なリスクへの対応を可能にして継続的に成長するための体制の強化をされている。事業活動を俯瞰的に把握したDX 基盤を武器にアークス様はまた新たな一歩を踏み出しています」(アクセンチュア 西井氏)

会社概要

株式会社アークス

設立:1961年(昭和36年)10月28日
資本金:212億円
従業員数:146名(グループ全社5,132名、パートナー社員22,725名、合計27,857名)
    (2020年2月末現在)

パートナー企業

アクセンチュア株式会社

アクセンチュア株式会社
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